
2024年ノーベル文学賞受賞後、韓国で刊行された初の作品集。受賞記念講演、エッセー、詩を著者本人が収めた。
代表作とされるいくつかの長編について著者は、『採食主義者』では「一人の人間が完全に潔白な存在であることは可能だろうか? 私たちはどれほど深く暴力を拒否できるのか?」と、『少年が来る』では「現在が過去を助けることはできるか? 生者が死者を救うことはできるのか?」と、そして『別れをつげない』では、「世界は、なぜこれほど暴力的で、苦痛に満ちている? と同時に、世界はなぜこれほど美しいのか?」と自身に問いかけたことを振り返る。
「言語が私たちをつなぐ糸」であり、「生命の光と電流が流れるその糸に私の問いが接続している」と語るノーベル賞受賞作家の、創作世界を知らせてくれる一冊だ。(河出書房新社、ハン・ガン著、斎藤真理子訳、四六変型判、214㌻、2000円+税)