
著者は北九州市出身。ピアニスト、エッセイスト、人権運動家として幅広く活動する。現在、明治学院大学非常勤講師。「風速計」は『週刊金曜日』巻頭言で、著者は在日コリアン3世の声を伝えたいと続けている。
同書はそのコラムを中心に一冊にまとめたもので、ヘイトスピーチについては「差別を放置すれば増殖する」と、受ける側の苦しみを伝え、学校などでの教育プログラムの必要性を訴える。世界的に「自国ファースト」が吹き荒れ、戦火のやまない現状については「怒涛のような現実に抗う、私は一本の杭でありたい」と記す。
「何を私は伝えられるのか、自分の言葉に嘘はないのか」と常に自問しながら書き上げた珠玉のエッセー集。
斎藤とも子さん(俳優)がつづった「発刊に寄せて」も、日本人として「在日」の声を受け止める大切さを伝える。(いのちのことば社、崔善愛著、B6判、194㌻、定価1800円+税)