
古代寺院釈迦の遺骨、仏舎利を安置するためインドで発祥した土饅頭形のストゥーパは、中国に伝来すると楼閣式となり、高層化していった。中国最初の仏教寺院を、だれがどのように建てたのか、確かなことはわかっていない。
372年、高句麗に仏教が伝わり、375年には寺院が建立された。384年には東晋から渡来した胡僧の摩羅難陀が百済に仏教を伝えた。翌年には漢城に寺院が建立されたと伝えられるが、その位置は特定されていない。百済中期には大通寺水源寺が建立されている。新羅では紆余曲折を経て527年に仏教が公認された。その後、皇龍寺が建てられ、新羅で最も重要な寺院となった。その後、韓半島から日本へ伝えられた木造仏塔は、いかなる思想のもと日本で受け入れられたのか。
同書は出土遺物と史料から、東アジアの歴史的空間の中で移り変わる仏塔の姿と、変わらぬ仏塔への信仰を描く。(吉川弘文館、向井佑介著、四六判、288㌻、税込2200円)