掲載日 : [2022-03-16] 照会数 : 1958
障がい、国籍への偏見差別を超えて…映画「車線変更」完成へ
[ 映画「車線変更」の主要登場人物たち ]
【埼玉】多国籍の街、川口市を舞台に身体に障がいを抱えた若者の奮闘を描く映画「車線変更」(赤羽博監督、2時間)が来春、公開される。5日、市内で関係者を対象に「完成前」試写会が行われた。
主人公の若者は鋳物工場の息子で、「賞金王」獲得を夢見るオートレーサー。練習中の接触事故で障がいを負いながら、絶望を乗り越え、自転車に「車線変更」して再び夢に向かって走る。
主人公を陰で支える配役には鋳物工場の職人や障がい者施設の職員などで複数の「在日韓国人」が登場し、知的・身体障がい者ばかりか、国籍への偏見差別の解消もさりげなく訴える。これは「協力者」として製作に参加した在日韓国人、金永悦さんの意見が反映された。
映画のエグゼクティブプロデューサーを務めた国枝秀美さんは「障がいや国籍に対する差別偏見が生まれるのは、当事者と接触する機会が少ないため。この映画を通じて少しでも減らすことができたら」と述べた。
川口市を舞台とした映画は吉永小百合さん出演の「キューポラのある街」(1962年、浦山桐郎監督)以来60年ぶり。現在、映画は90%のでき。「春の桜並木の下で主人公が自転車の練習をするシーン」を撮れば完成するという。全国公開を前にして応援団「上映市民の会」参加者を募集している。問い合わせは03・4405・4349(国枝秀美さん)。
(2022.03.16 民団新聞)