掲載日 : [2021-11-10] 照会数 : 3749
在日次世代をつなぐ大学生対象Zoom交流会…民団中央文教局
[ 徐順子局長と禹長春博士について語る曺壽隆さん(右) ]
「民族的アイデンティティー大事に生きて」
長引くコロナ禍の影響で対面交流の難しい全国の在日同胞大学生をつなぐオンライン(ZOOM)集会が5日、開催された。集いでは朝鮮奨学会の曺壽隆常務理事と一般社団法人韓服普及協会の李香順理事が講師として民族的アイデンティティーを大事にして生きるという「次世代に向けてのメッセージ」を送った。民団中央本部文教局が「在日同胞次世代の集い」として企画した。民団としては初めての試み。
同胞のつながりを求めて遠くは福岡や岐阜からも参加できたのもオンラインならではこそ。この多くが民団の「サマースクール」(2018~19年)体験者で、いまは学生会で執行部を担ったり、母国修学生として一段と成長した姿を見せてくれた。
学習企画では講師の李さんが韓服の歴史と着こなし、礼節作法について語った。クンジョルは実際に実演、「こんなきれいなあいさつがあることを知って」と語った。着付けもシンプルだ。着付けが難しい着物に比べて「こんなに楽で、華やかな民族衣装はない」と強調した。
最後に「不安と夢を見ながら走っていた」若き日々を振り返りながら、「韓服と同様、自分も変化していくことが大事。自分が韓国人であるという軸をしっかりさせながら自分の絵を描いていってほしい」と呼びかけた。
同じく講師の曺さんは、青春時代に出会って大きな影響を受けたという在日韓国人の育種学者、禹長春博士について語った。
禹博士は解放後、韓国へ招かれ、韓国近代農業の発展に貢献した。韓国では「キムチの恩人」とも称される。曺さんは禹博士が民族名を堅持して祖国へ貢献したことを挙げながら、「君たちは人として、在日韓国人としてどう生きるのか」と問いかけた。
講演後、徐局長は学生会を卒業しても青年会という組織で仲間づくりには励んでほしいと語りかけた。同時に来年の韓国大統領選への投票も促した。
参加者からは「普段会えない人とつながりうれしかった」「このつぎからはちゃんとした着付けで韓服を着てみたい」といった感想が聞かれた。
文教局では今後、中学生、高校生を対象とした次世代交流会も企画している。
(2021.11.10 民団新聞)