次に、マイナンバーカードと特別永住者証明書・在留カードの一体化についてだ。カードが1枚にまとまり、有効期限も最長10年に統一されるため、一見すると利便性が高まるように思える。しかし問題はプライバシーだ。通常の在留カードには、在留資格や在留期限、就労制限の有無が券面に記載されている。これがマイナンバーカードと一体化され、さらに健康保険証とも紐づけられると、病院の窓口などで提示した際に、自分のすべての在留情報が相手に見えてしまうことになる。コピーを取られれば個人情報がそのまま残るため、プライバシー保護の観点から非常に懸念がある。ただし、この一体化はあくまで任意であり強制ではない。懸念がある場合は無理に一体化せず、2枚のカードをそのまま持ち続けても問題はない。
続いて、不動産登記における国籍欄の追加についてだ。これは今年10月5日から開始される見込みだ。一部の海外の富裕層が日本国内の不動産を爆買いしていることへの対策とされている。しかし、その煽りを我々在日外国人も受けることになるのだ。これまで不要だった国籍の記載を求められるのは、外国人に対する偏見や応対の差につながる恐れがある。
なお、国籍は申請書に記載するものであり、登記簿の公的な閲覧画面には載らないとされている。民団としては、「転売目的で昨今土地を買い漁っている外国人投資家と、歴史的な経緯があって日本に何世代も暮らしている我々在日韓国人を同列に扱うのは避けてほしい」と求めている。
次に、帰化要件・永住資格取得の厳格化についてだ。帰化申請における在留要件は、これまで原則5年だったが、永住申請と同じく原則10年へと延長され、厳格化される動きが進んでいる。また、納税確認の期間もこれまでの直近1年間から5年間に延長され、社会保険の加入・支払い状況も直近2年分が厳しく審査されるようになっている。
永住申請時には、5年以上の在留期間を所持していることが必須条件となる。手数料もこれまでは1万円程度だったものが、10月1日から20万円に引き上げられる(法律上の上限額は30万円)。このように、全体として永住資格の取得や帰化を容易にさせない方向へとシフトしているのだ。
最後に、外国代理人登録制度についてだ。アメリカなどにある制度を日本にも導入しようとする動きで、本質的にはスパイ活動の防止を目的とするものだ。しかし、文面通りに適用されると、「外国政府と関係のある団体」や「外国からの資金援助を受けて政治的・社会的活動を行う団体」がすべて対象になる。民団は、韓国政府から公的な支援金を受け取っている団体であり、活動の一環として日本国内で在日同胞の法的地位・待遇の改善に対する要望活動などを行っている。もしこの制度が適用されれば、「私たちは韓国政府から資金援助を得て、このような活動を行っています」と日本政府に登録し、その都度活動報告を義務付けられることになり、活動が完全に監視・制限される恐れがある。民団の歴史的・特殊な立場を考慮し、他の一般団体と同列に扱わないよう要望していく必要があるだろう。
外国人への管理・排除の強化はこれに止まらない。たとえば留学生ビザの取得要件として、一定以上の日本語能力試験の合格証明が厳格に求められるようになる。また、近年ネパール人などの小規模飲食店が急増している背景もあり、ビザ取得に必要な資本金・資金の基準が最大3000万円に引き上げられたり、「常勤の職員を必ず1名以上雇用すること」といった厳しい条件が課されたりしている。これにより、既存の個人経営店舗などが事業を継続できなくなるケースが増えている。
このように、現在の日本政府は外国人に対して管理強化と排除の方向へ大きく舵を切っている。特に、最も安定した在留資格であるはずの永住資格を脅かす今回の入管法改定には、強い危機感を抱かざるを得ない。私たちは今後、いくつかの対策を講じていく必要がある。まずは、このような不利益を被る可能性があるという事実を、皆さんに知っていただくことが第一歩だ。他人事だと思わず、自分自身の問題として捉え、関心を持って調べてみて頂きたい。
今回の法改正は、特別永住者にとっても決して他人事ではない。永住者への締め付けが通ってしまえば、次はさらに歴史的地位のある特別永住者へと対象が広がる布石になりかねない。何が問題となっているのか、強い関心を持って注視していく必要がある。