掲載日 : [2019-04-17] 照会数 : 6592
趙善玉の「飲食知味方の世界」スッタン
ヨモギのスープ
今回は、ヨモギのスープ「スッタン」をご紹介します。スッはヨモギ、タンはスープという意味です。ヨモギの旬は3~5月ですが『飲食知味方』には2~3月頃のヨモギを使うと書いてあり、若い芽を使います。
「それを醤油味のスープに入れる、ここに雉肉をきざんで入れ、卵を溶き入れる。また、干したニシンをちぎって加えるとさらに美味しくなる」と書かれています。干したニシンは「クァメギ」と言って、本書が書かれた慶尚北道の特産物です。
クァメギは、ニシンの収穫時期である11月に天日干しします。ですが、最近では収穫量が減り、サンマで代用したクァメギが作られています。昨年、私が引率した韓国ツアーで訪れた慶尚北道の浦項(ポハン)にある大きな市場でもクァメギがたくさん売られていましたが、やはりサンマでした。
スープに入るキジ肉も、一般の方が入手するのは難しいので、鶏肉を代用します。自然の変化や時代の流れにより料理も変化せざるを得ないこともあるのですね。
◇材料(4人分)
ヨモギ50g、キジ肉20g(鶏肉で代用)、卵2個、ゴマ油小さじ1、干したサンマ5g、塩小さじ1
<肉スープ>
水4カップ、キジ肉スープ2カップ(鶏肉スープで代用)、醤油小さじ2
◇つくり方
1.<肉スープ>の材料を鍋に入れ、煮立たせる。
2.洗ったヨモギを①に入れる。
3.キジ肉を細かく刻み、②が煮えたら加えてさらに煮る。
4.③に溶いた卵とゴマ油を入れて煮る。
5.④が煮えたら、干したサンマをちぎって入れ、塩で味を調え、もう一度煮立たせて出来上がり。
(2019.04.17 民団新聞)