掲載日 : [2021-09-29] 照会数 : 4912
ネパール人ら「民団に感謝します」…職域接種在日外国人にも開放
[ 民団中央会館で行われた新型コロナワクチンの職域接種 ]
民団のコロナワクチンの職域接種が11日から東京都港区南麻布の民団中央会館で始まり、1回目の接種となる19日までの土日4日間、在日同胞だけでなく、都内をはじめ、神奈川や埼玉、千葉の各県などから日本人と留学生や定住外国人も含む多くの人々が接種にかけつけた。民団は、古くから「多文化共生社会の実現」や「日本地域社会への貢献」を唱え、阪神・淡路大震災や東日本大震災に際しての避難所での炊き出し、救援物資配布などの救援活動を展開してきたが、今回もワクチン接種を通じて、国境を越えた助け合いの精神を遺憾なく発揮した。
接種日が土日とあって4日間とも同胞だけでなく、民団各支部の紹介、民団のホームページやSNSで情報を知った日本人はじめネパール、中国やベトナムなどの在日外国人が訪れ、ワクチンを受けていた。受験を前にした東京韓国学校高校生たちも見られた。
足立区に住む在日3世の女性はワクチンを打ち終え、「地元ではなかなか予約がとれず、困っていたところ、在日の先輩から民団での職域接種を教えてもらい申し込んだ。スムーズで、時間もかからずとても良かった。ワクチン接種できて、ひとまず安心を感じている」と笑顔を見せた。
千葉県松戸市に住む35歳の新規定住韓国人男性も「なかなか予約が取れなくて悩んでいたところ、SNSを通じて民団の接種を聞き、すぐに申し込んだ。民団に感謝しています」と喜んでいた。
民団は同胞や地域住民がコロナに打ち勝ち、安全・安心な生活を送れるよう積極的に寄与するため、この間準備を進めてきた。在日韓国人医師会の曺自然会長の協力を得ながら、同胞を始め日本の医師、看護師らの確保に努めた。
日本政府のワクチン不足で職域接種が遅れていたが、第1回目のワクチンを11、12、18、19日の4日間、朝9時から夕方6時まで実施した。
対象が在日同胞だけでなく、国籍を問わず満16歳以上であれば誰でも接種できるとあって、接種券が届かない人や住所移転などで予約が困難だった「接種難民」が多く申し込んだ。言葉の壁で接種予約の方法が困難だった外国人も目立った。
特に、神奈川県に住むネパール人が相互扶助と日本人などとの交流を展開している団体「かながわネパール人コミュニティ(ハリ・サプコタ・ドルラズ会長)」からは100人以上が訪れた。
ハリ会長は民団のワクチン接種の情報を聞き、SNSなどを通じて会員に広げた。現在、日本に住む在日ネパール人は約9万6000人とこの10年間で急増している。
在日歴12年目のハリ会長によると、神奈川県に住むネパール人は約7500人だが、接種券こそ届いたものの、日本語で書かれているため、予約に戸惑う人が大半だ。ハリ会長は日本語が堪能なメンバーに呼びかけ、民団接種会場に赴き、通訳・翻訳などの世話に当たった。「民団とは以前から交友があった。在日外国人団体のレジェンドでもある民団のこのような支援活動にとても感謝している」と述べていた。
2回目接種は4週間後に当たる10月9、10、16、17日の4日間となる。
(2021.09.29 民団新聞)