【宮城】「2024第10回東北地方協議会次世代プロジェクトセミナーIN仙台」が15日から17日までの2泊3日、民団宮城県本部で開かれ、青森、秋田、山形、岩手、宮城、福島の6県から25人が参加した。受講生は3つの講演と班別討論、交流を通して共通認識を深めるとともに次代の民団を担う各本部の次世代の認識を再確認した。
東北地協の李純午会長(民団宮城本部団長)は「東日本大震災後の2013年から開催してきたセミナーが節目の10回を迎えた。各県の意見を聞きながら、宮城の若い世代の実行委員を中心に企画した。今後も東北の若い世代の人材を育成するために継続していく」と挨拶した。
15日は「持続可能な社会形成と静脈産業‐在日企業の過去・現在・未来‐」をテーマに東北大学の劉庭秀教授が語った。劉教授は「在日1世は1950年代に少ない資本で現金収入が得られる静脈産業の鉄くず屋・古物商を始めた。環境問題が叫ばれるようになってからは廃棄物処理とリサイクルに転換していった。2世紀に韓半島から日本へ製鉄技術が伝わり、20世紀初めに日本に渡って来た在日同胞が鉄スクラップに関わってきた」と述べ、「日本の静脈産業に大きな足跡を残してきた在日は、韓日関係で貴重な歴史の証人だ」とまとめた。
2日目はKJプロジェクトの〓哲恩代表が日本社会に見える在日として、同化・追放・管理政策や排外主義に抗い、対立ではなく、韓日相互理解・多文化共生の観点から「平等な社会の実現を」と訴えた。
3日目は民団中央本部の金利中団長が「若い世代の民団離れや民団に対する無理解をどうするか。民団は在日の生活の一部になっている。貴重な在日の歴史を語り継ぎ、残していかなくてはならない。災害時の緊急事態に対応するために7万人と繋がるネットワーク、連絡網を作りたい。その中に帰化同胞も入れていく」と強調した。
参加者からは「祖父の時代から古物商を営んでいたので講演テーマを身近に感じた。在日の問題も普段は東北の一角でしか考えていなかったが、6県の仲間たちと一緒にいろいろと考える機会になった」「環境問題解決のために在日韓国人が活動していることに誇りに思い、自慢したいと思う。民団について知らないことが多くあることに気づかされた」と継続開催を望む声が上がった。