「在日韓国奨学会(略称・韓奨)」創立メンバーの一人であり、外国籍教員の国公立大学教授任用への道を切り開いた徐龍達さんが 25日、死去した。91歳だった。
徐さんは1933年、日本の統治下だった釜山生まれ。9歳(小学校4年)のとき大阪へ。57年、大阪市立大学を卒業するも就職差別を受ける。受験申請した伊藤忠商事、三和銀行、八幡製鉄の3社から書類の返却があった。やむなく翌年、神戸大学大学院で経営学を学びなおした。 63年、神戸大大学院経営学研究科博士課程を修了し、日本全国で初めての外国人専任講師として桃山学院大学に迎えられた。
また、外国人教員任用制度改善のための請願運動を続け、国公立大学の外国人教員任用法の制定(1982年)にも寄与した。
在日韓国奨学会を設立して若者の学びを支援するなど、在日同胞の権利拡大のための活動も展開した。
このような功績が認められ、2017年の「世界韓人の日」記念式典では韓国政府の国民勲章「無窮花章」を受章した。