2025年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げるとともに、旧年中に団員の皆様、そして各界各層の皆様から賜りましたご支援とご厚誼に深い感謝と敬意を表する次第でございます。
昨年2月28日に開かれた第56回定期中央大会において全国の団員の皆様から圧倒的なるご支持を賜り、私ども第56期中央本部三機関は出帆致しました。
2020年から続いた世界的なコロナパンデミック、そして中央本部の混乱事態により、本団組織が未曽有の深刻な状況に陥った中での新三機関のスタートは、困難な道を突き進む固い決意を要するものでした。
親愛なる団員の皆様!
民団の主権者は、団員の皆様です。
その主権者である団員の皆様の献身的なご支持ご支援により民団は、日本全国に在日同胞組織を構築してまいりました。民団は、その名の通り自由民主主義の在日同胞の「民」の団体であります。決して一部の者が権力者として君臨するようなことは決してあってはならないはずです。
ここ数年にわたり組織を疲弊させた混乱事態を、収束させたのは全国の団員の皆様でした。 一昨年暮れの臨時大会と昨年の定期中央大会は、本来あるべき誉れある民団を改めて内外に示すことができたのではないかと思います。
改めて全国の団員の皆様、各級組織幹部の皆様に心から敬意と感謝を表する次第でございます。
祖国大韓民国の平和安寧を期する!
民団は、明後年に創団80周年を迎えます。
1946年、自由と民主主義を掲げる在日同胞が、結集し民団を創団しました。
その創団宣言書の基本要領に「本団は、自体が決して一種の思想や政治団体ではなく、また本国あるいは海外のいかなる思想や政治の主流にも偏倒することなく、その中の一つを支持したり、或いはこれに加担しない」と明記しています。
皆様もご存じの通り昨年末の大統領の非常戒厳宣布と国会の大統領弾劾決議により、今年、本国は激動の年になると思われます。
この度の事態に対し団員の皆様も深く憂慮されておられると思います。
本団は、創団宣言書に示された不偏不党の基本要領を堅持し、多様な在日同胞の準公的な団体として適切なる対応をしてまいります。
過去、祖国は幾多の困難、危機を乗り越えてきました。そして在日同胞もまた、その度に祖国の平和安寧のために寄与してきました。
私たち在日同胞は、これまでも、そしてこれからも祖国大韓民国を支持し、平和安寧に寄与してまいります。
祖国光復80周年 韓日国交正常化60周年
今年、祖国は光復80周年を迎えます。また韓日国交正常化60周年の佳節を迎えます。
79年前、民団の前身である建同と建青の両団体を中心に祖国解放1周年記念式を東京日比谷公会堂で盛大に挙行しました。以来、毎年、日本全国で太極旗を掲げての光復節記念式は、在日同胞の矜持を表すものと言っても過言ではありません。
特に今年は光復80周年であり、光復節記念式をはじめ関連する諸事業、行事を進めてまいりましょう。
また悪化していた韓日関係は一昨年、尹錫悦大統領の訪日と韓日首脳会談等により、大きく関係改善が進みました。
在日同胞は、暗黒の日帝植民地支配、そして祖国解放後も、この日本で迫害、差別を受けた被害当事者でもあります。
しかし被害当事者である私たち在日同胞が、民団創団から一貫して望み進めてきたのは平和と韓日友好親善です。
それは2・8、3・1独立宣言で謳われた東洋平和とその崇高なる精神に基づくものです。 今年、1965年の韓日国交正常化から60周年を迎えます。 今年、本国をはじめ世界は大きな激動の年を迎えようとしています。
だからこそ平和のための友好親善を、進めていかなくてはなりません。
一方、ヘイトスピーチ問題、入国管法問題、永住地方参政権をはじめとする在日同胞の人権擁護運動も果敢に進めてまいります。
各地の韓人団体と民団が協調
昨年2月に中央本部団長に就任してから、疲弊し停滞していた団務運営を正常化させつつ、数多くの同胞の皆様と交流を重ねてまいりました。
現在、日本に住む韓国籍同胞は約41万人ですが、韓国をルーツにする日本国籍者は、その十倍になるともいわれています。 こうした現状を踏まえて、在日同胞社会の未来に向けて新定住者、日本籍などの同胞を包容する団組織となっていかなくてはなりません。
また各地の各韓人団体と民団組織が協調しあうことで在日同胞大統合を目指してまいりたいと思います。
2025年の幕開けに際し、団員の皆様、組織幹部の皆様と絆を深め、共に新たなる決意で歩んでまいりましょう。
皆様のご家庭のご多幸、ご事業のご繁栄、そして安寧を、衷心よりお祈り申し上げ新年の挨拶といたします。
民団中央本部団長
金利中