
在外同胞庁(金炅俠庁長)は15日、10月の「今月の在外同胞」として、駐日韓国大使館の建物と敷地を寄贈し、大規模な母国投資を通じて韓国の経済発展に貢献した故徐甲虎会長(1914~1976)を選定したと発表した。
徐会長は、1914年、慶尚南道蔚州郡で生まれ、9歳のときに一人で日本の大阪へ渡った。1948年に「阪本紡織」を設立した後、ホテルや不動産などで事業を拡大して財を成した。
1962年に東京・麻布の土地と建物を、1975年には白金の土地と建物を韓国政府に寄贈した。これらが、現在の駐日韓国大使館と大使公邸の礎となった。
民族教育にも強い関心を持ち、1957年には大阪の民族学校「金剛学園」の第2代理事長を務め、亡くなるまで私財で学校の運営資金を支援したほか、大阪民団にも年間500万円を寄付するなど、在日同胞の権益向上に力を注いだ。
本国投資では、1963年にソウルの永登浦に100万ドルを投資して紡織会社を設立、1973年には慶尚北道の亀尾市に7000万ドルを投資して紡織会社を設立してまだ発展途上国だった韓国の繊維産業と経済発展に大きく貢献した。
韓国政府は、その功績をたたえ、1976年に国民勲章・冬柏章を追叙した。
駐日韓国大使館は2013年7月にの新庁舎開館時に、徐氏の雅号「東鳴」にちなんだ歴史館「東鳴館」を大使館に設置。昨年の7月には大使公邸を「東鳴斎」と命名したほか、毎年11月1日を「徐甲虎の日」として定め故人の偉業を称えている。
金炅俠同胞庁長は「徐甲虎会長の寄付と投資は財政的貢献を超え、わが国の地位を高め、在日同胞社会及び韓国経済発展に重要な役割を果たした」とコメントした。