掲載日 : [19-11-08] 照会数 : 14106
善隣友好を呼び掛ける「対馬宣言」を発表
【長崎】「朝鮮通信使に関する記録」が「ユネスコ世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録されて2年となる10月30日、登録を推進してきた韓日の主要メンバー4人が対馬市で善隣友好を呼び掛ける「対馬宣言」を発表した。
4人は日本側の推推部会長を務めた松原一征氏(74、朝鮮通信使縁地連絡協議会理事長)と当時の学術委員長だった仲尾宏氏(83、京都造形芸術大客員教授)、韓国側の推進委員会共同委員長だった南松佑氏(66、元釜山文化財団代表理事)と韓国学術委員長だった姜南周氏(80、釜慶大元総長)。
4人が署名した宣言では「このような時にこそ両国の人々が活発に往来し、『誠信交隣』の精神を実践することが重要。その積み重ねが根強く残る両国間の政治的葛藤と反目を解消する」と訴えた。松原氏は「7月から日韓関係が泥沼のようになっていく中、何かできることはないか」と、長年の友人である姜氏に相談し、練り上げたと明かした。
記者会見で姜氏は、対馬は朝鮮通信使が日本に上陸した最初の地であったことを挙げ、「両国の中間に位置する対馬が役割を果たすことが重要」と指摘。仲尾氏は第2次大戦で敵同士だったドイツとフランスが戦後、姉妹都市縁組などを通して関係修復した例を示し、自治体や個人間での交流の大切さを強調した。