掲載日 : [19-09-18] 照会数 : 12425
北送から60年 脱北者が語る北韓での「地獄」
[ 司会進行の山田文明名誉代表(左)と4人のパネリストたち ]
「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」(佐伯浩明代表)は14日、東京・港区の人権教育啓発センター・人権ライブラリーに脱北者4人を招き、北韓での生活の実情を聞く会を開いた。進行は山田文明名誉代表が務めた。
赤塚君子さんは北韓での生活を「地獄」と振り返った。北送当初の3年間は日本から持参した石鹸などを売って生活の糧とした。多くの餓死者を出して「苦難の行軍」といわれた90年代後半には勤務先の靴工場で製造した製品を市場に持ち込み、食糧に換えたと語った。
山本初子さんが北送不船に乗船したのは60年。船が清津港に着くや住民の貧苦に気づき「すぐにも帰りたい」と後悔にさいなまされた。やがて食糧不足に陥り、人間が人間の肉を食べるという窮状に「これはダメだ」と絶望。何回も脱北を試み、ようやく3回目にして日本に戻ることができた。
証言集会に先立つ臨時総会では「守る会」のNPO法人化について話し合った。佐伯代表は法人化のメリットとして寄付金の免税措置を挙げた。会員からは異論がなかったため、NPO法人化をめざすことが決まった。