親愛なる在日同胞の皆さま!
第79周年光復節を迎え、在日同胞の皆様と光復節を慶祝いたすとともに祖国の自主独立のため身命を捧げた愛国先烈に心からの哀悼の意を表します。
1945年8月15日、36年の暗黒の植民地支配から祖国は解放、光を取り戻し、すぐさま日本各地で在日同胞は太極旗を掲げ「大韓独立万歳」と歓喜の声をあげました。そして解放1周年となる翌1946年8月15日、自由民主主義を求める在日同胞は、東京日比谷公会堂に集い祖国解放の1周年式典を挙行、さらに同年10月3日に在日同胞の自由と民主主義への希望と崇高なる愛国愛族精神をもとに民団は創団されました。
民団は、自由民主主義の理念をもとに創団宣言書に明示されている通り在日同胞社会と祖国の発展に尽くすとともに、在日同胞の民生安定、人権擁護、さらに韓日の平和、友好親善に尽力してきました。そして在日同胞の代表団体として、各種権益獲得や指紋押捺廃止等の差別撤廃運動に果敢に取り組み、近年では民族差別を扇動するヘイトスピーチ根絶など、日本社会との友好と共生社会実現のための運動を展開しています。
しかし今年、永住外国人の永住資格を安易に取り消すことが可能となる入管法改定法が成立されました。この改定入管法は、「永住者」とその家族が、長く社会の一市民としての義務を果たしてきたとしても、不可抗力の様々な状況に陥った場合には社会から排除されてしまう排外主義的なものと言っても過言ではありません。さらに国連の人種差別撤廃委員会においても「永住者の人権に及ぼす影響を憂慮する」との書簡を日本政府に送付しています。
改定入管法は、3年以内に施行されますが、民団は、今後も永住資格取消条項に対する是正と人権に配慮した運営ガイドラインを策定するよう粘り強く求めていきます。
親愛なる在日同胞の皆様!
今年に入り、北韓は憲法を改定して韓国を「第一の敵国」と規定し、「統一」や「民族」といった表現を削除するなど、南北統一政策の転換を強引に進めています。こうした北韓の政策転換は、民族を否定し平和統一を放棄したもので、韓半島の分断を固定化する非常に危険なものだと糾弾せざるを得ません。
尹錫悦大統領は、この政策転換を「北の政権が反民族的で反歴史的な集団であることをみずから認めた」と強く非難しました。
「祖国の平和統一」は、韓半島に恒久的な平和と安寧をもたらす道のりであり、私たちは、いかなることがあっても韓国の憲法に明記されている「自由民主主義的基本秩序に立脚した平和的統一」に向けた歩みを断じて止めてはなりません。改めて私たちの宿願でもある祖国の平和統一と韓半島の非核化、平和、安寧のため断固たる姿勢で臨んでいくことを皆さまとともに決意して参りましょう。
親愛なる在日同胞の皆様!
今年、在日同胞社会は、この間続いた組織的な葛藤を民主的に乗り越え克服することができました。困難な状況にあってもその打開への道を切り開いたのは、全国の在日同胞の皆様です。心から敬意と感謝を表するとともに、我が民団が在日同胞による自由と民主主義の誇りある団体であると、これぞ民団だと、改めて実感し内外に示せたと思います。
明年2025年は、韓日国交正常化60周年を迎えます。この60年もの長きにわたり多くの韓日の先輩の方々が不断の努力をもって友好親善の歩みを重ねてこられました。平和と安寧は与えられるものではなく、みずから築き発展させていかなくてはなりません。私たち日本に居住する在日同胞は、韓日両国の草の根の友好親善への決意を新たにして参りましょう。
私たち在日同胞社会が、未来に向けて歩んでいくためには世代交代はもとより、新定住者や帰化同胞など多様な在日同胞を包容しつつ直面する大きな課題を解決していかなくてはなりません。
民団は、在日同胞社会を代表する立場から、同胞社会の大同団結、次世代育成を力強く進めてまいります。
結びにあたり皆様のご支援とご協力のもと激変する内外情勢に即応する新たな在日同胞社会の基盤を構築していくことを皆様とお約束しながら慶祝辞に代えさせていただきます。
感謝합니다.
2024年 8月15日
在日本大韓民国民団中央本部
団 長 金 利 中