国境を越え平和を祈る
【広島】民団広島県本部(金基成団長)は5日、平和記念公園(広島市中区)内に設置されている韓国人原爆犠牲者慰霊碑前で第55回慰霊祭を執り行った。犠牲者遺家族や民団関係者、広島市議会、県議会、広島選出の国会議員ら約250人が参列し、「核兵器廃絶」の決意を新たにした。この1年で亡くなった4人の被爆者を加えた計2814人の死没者名簿を奉納した。
金団長は追悼辞で「被爆の記憶を教訓にせず、今も核兵器保有と軍事侵略を行い、世界各地で愚かな戦争を続けて無辜の人々の命を奪う国がある。広島と長崎のような悲劇が二度と起きないように核武器放棄を」と強く訴えた。
韓国政府を代表して昨年に続き在外同胞庁のトップが慰霊に訪れた。7月31日に就任したばかりの李相德庁長は「二度と原爆の惨事が繰り返されないよう人類の共同繁栄と世界平和の増進に最善を尽くす。犠牲者のみならず在日同胞の苦痛を慰める」と誓った。 駐広島韓国総領事館の林始興総領事が「戦争と差別、原爆が作った哀悼と慰霊の場は国境を越えた友好と協力、恒久平和を誓う場である」と述べた。
民団中央本部の金利中団長は「いかなる脅威と妨害があっても北韓の核開発を止めなければならない」と訴えた。
公明代表が献花
婦人会本部の趙顕子会長ら会員が民族衣装で慰霊歌を霊前に捧げた後、参列者が献花を行った。夕方には公明党の山口那津男代表らが昨年に続き慰霊碑に献花し、哀悼の意を表した。
民団関係者は「昨年に続き韓国政府を代表して在外同胞庁長が参列してくれた。被爆者に関心を示してくれたことで希望が広がる」と喜んだ。
立憲代表が参拝
【長崎】第4回長崎韓国人原爆犠牲者慰霊祭が8日、韓国人原爆犠牲者慰霊碑前と隣接会場で執り行われた。主催した民団長崎県本部の朴正煥団長、中央本部の金政弘副団長、金春植監察委員長、駐福岡韓国総領事館の朴建燦総領事のほか立憲民主党の山田勝彦衆議院議員ら約80人が参列、献花した。
朴団長は「私たち一人ひとりが平和の大切さを未来世代に伝えていくことが犠牲者への最大の慰霊になる」と述べた。高校生平和大使による平和を願う千羽鶴の奉納や一般献花の後、原爆が落とされた11時2分に合わせ犠牲者に黙とうを捧げた。
式典後、立憲民主党の泉健太代表が駆け付け、慰霊碑を参拝した。午後には公明党の山口那津男代表も慰霊碑に献花した。