掲載日 : [23-08-15] 照会数 : 3180
尹徳敏駐日大使 第78周年光復節 慶祝辞
[ 尹徳敏駐日大使 ]
尊敬する在日同胞の皆様!
本日は、光復78周年を迎える大変意義深い日です。光復節を迎え、殉国先烈と独立有功者、そしてご遺族の皆様に心より敬意と感謝の意を表します。
尊い命を捧げ、数々の苦難を忍耐なさった殉国先烈の崇高な犠牲と献身がなければ、78年前の大韓民国は光復を迎えることができず、今日の自由で豊かな大韓民国もなかったと思います。
日帝時期の独立運動は日本から解放されるためのものでしたが、独立運動の精神は解放を迎えたからといって、なくなるものではありません。共産主義に立ち向かい、戦後の経済成長と産業化、民主主義を発展させてきた過程を通じて、その精神は続けられてきました。
そして、今は普遍的価値を基に、世界の繁栄と平和に寄与するといった新しい時代的使命として継承・発展されました。こういった意味で、私達の独立運動は今もなお進行中であり、これからも続くでしょう。
ご列席の方もご周知のように在日同胞社会は、韓国の歴史、とりわけ独立運動史において重要かつ特別な意味を持ちます。1919年2月28日、独立宣言を通じて民族の自主独立精神を世界に向かって宣言し、その精神が3・1運動の導火線となり、結局は祖国の光復と自由大韓民国の建国という結実を実らせました。
その精神を引き継ぎ、6・25韓国戦争の際は642名の同胞の若者たちが戦場に向かい、135名の尊い命が祖国のために花と散りました。
その後も在日同胞社会は大韓民国の民主化と先進化に大きな貢献をしてきました。世界の繁栄と平和への寄与といった新しい時代的使命においても、在日同胞社会が先駆けてくださることと思います。
尊敬する在日同胞の皆様!
厳しい国際情勢の中、普遍的価値を共有する国家との協力・連帯を通じて、安保危機を克服し、世界の平和と繁栄に寄与する必要性がこれまでよりも増して大きくなってきました。
何より、韓日が暗くて長いトンネルをくぐり、共に新しい時代に向かって進んでいくことを期待する在日同胞の皆さんの切な念願もありました。
こうしたことから、韓国政府は今年の3月、韓国大法院の強制徴用判決に対する解決策を打ち出しました。
尹錫悅大統領が二者訪問としては12年ぶりに訪日し、両国の首脳は韓日関係を早期に回復・発展させていくことで意見を共にしました。
また、東京で首脳会談が行われて2ヶ月も経たない間に、岸田総理の韓国への返礼訪問があり、続いて両首脳夫妻はG7広島サミットに参加し、韓国人原爆被害者慰霊碑に共に追悼されました。
私が赴任した去年頃には想像もできなかったことが今、早いスピードで行われています。
その流れを活かし、経済・産業・科学・文化・人的交流など、両国の多様な分野においての協力を復活させ、また拡大していくために、韓国政府は全力を尽くしております。
こうした韓日関係の発展の根幹は両国国民における交流・協力の経験と、それを基にした相互理解です。
韓日関係の改善には長い間、韓日の架け橋になってくださった同胞の皆様の役割が大きかったと思います。
今後とも韓日関係の改善のための後押し、ご支援のほど、宜しくお願い致します。
尊敬する在日同胞の皆様!
大韓民国は先祖たちの血の汗で成し遂げてきた大切な国家です。
本日、光復節を迎え、殉国先烈の独立運動精神に沿って、我が祖国、大韓民国をより発展させていくための重い責任を感じます。
今まで祖国の光復と発展にご尽力頂いた在日同胞の皆様が今後の大韓民国の道のりにも同行してくださることを信じてやみません。
最後に、同胞の皆様のご健勝とご多幸を祈念いたしますとともに、在日同胞社会の団結と発展をお祈り申し上げます。