掲載日 : [19-08-14] 照会数 : 12286
「核廃絶運動の先頭に」…第50回韓国人原爆犠牲者慰霊祭
[ 新たに死亡者名簿に14人が追加され、韓国人犠牲者2760人の過去帳を奉納する李英俊民団広島本部団長 ]
[ 献花する山口公明党代表 ]
[ 参列した韓日の学生 ]
【広島】第50回韓国人原爆犠牲者慰霊祭が5日、広島平和公園内の韓国人原爆犠牲者慰霊碑の前で執り行われた。民団広島県本部(李英俊団長)が主催し、地元広島本部と支部の役員、民団中央本部の呂健二団長や中国地協各団長のほか、北海道本部の李圭亮団長、大分本部の呉成秀団長、婦人会中央の朴善岳会長、青年会中央の鄭昇栄会長、青商連合会の韓孝徳会長をはじめ、民団各県本部と傘下団体と広島県、広島市、東広島市議会議員など合わせて300人が参列した。
今年新たに死亡者名簿に14人が追加され、過去帳記載の韓国人犠牲者2760人が奉納された。
李団長は「異国の地で犠牲となった同胞、被爆により大変な人生を強いられてきた方々の悔しさと悲しみを忘れていません」としながら、「後世のためにも韓半島の核兵器を無くし、平和を定着させるという課題を解決し、韓日友好親善へ努力していく。核廃絶運動に努力していくことを約束し、同胞社会繁栄のために民団が先頭に立っていく」と宣言した。
呂団長も「戦争と核兵器の使用は二度とあってはならない。北韓が国際社会の反対にもかかわらず、核兵器を開発し続けていることに深い怒りを禁じ得ない」と追悼辞を述べた。
続いて金宣杓駐広島総領事が「教訓を胸に刻み、韓半島と地域の平和構築へ邁進していく」との追悼辞を読み上げた。
婦人会広島県本部(朴南珠会長)会員が「慰霊歌」を捧げ献花で幕を閉じた。
50回目を迎えた今回、李鐘根氏が韓国原爆被害者対策特別委員長として初めて献花した。
また、韓日関係の悪化で各地で交流事業に影響が広がっている中、韓国の高麗大学、早稲田大学、広島経済大学による交流プログラム「日韓誠信学生通信使」のメンバー20人も参列し、碑の横で「ようこそ広島へ」との横断幕を掲げながら、韓国の童謡「故郷の春」を合唱し、犠牲者に捧げた。
引率した早稲田大学の田中孝彦教授は「今年も例年通りやってきた。政治情勢に左右される必要はない」と述べていた。
同メンバーは7日まで滞在し歴史問題などをテーマにした討論会を持った。
同日夕方には、山口那津男公明党代表、斎藤鉄夫衆議院議員や公明党の県・市議会議員らが韓国人原爆犠牲者慰霊碑を訪れ金総領事、呂中央団長、広島民団関係者と共に献花した。
山口代表は「原爆被害に国籍は関係ない。二度と悲劇が繰り返されないよう、日韓両国が力を合わせていきたい」と碑に誓った。