掲載日 : [19-04-18] 照会数 : 12188
選挙運動利用のヘイトスピーチ「虚偽宣伝は刑事事件に」…警察庁が都道府県警に通知
警察庁の田中勝也審議官は、選挙運動に名を借りたヘイトスピーチ(差別扇動)に対し、差別発言の中で虚偽の宣伝などがあれば刑事事件として取り上げるよう3月28日付で各都道府県警に通知していたことを明らかにした。9日、参議院法務委員会で有田芳生議員の質問に答えた。警察庁が選挙に特化したヘイト取り締まり通知を出したのは初めて。
通知は①選挙運動だからといって不当な差別的言動の違法性が否定されることはない②差別的言動の中で虚偽事項の公表や選挙の自由妨害など刑事事件として取り上げるものがあれば適切に対処する③各地の法務局など関係省庁と連携するという内容。
有田議員によれば統一地方選期間中、日本第一党の桜井誠党首は神奈川県相模原市で「北朝鮮からやってきた人々」「醜い姿の朝鮮人」などと発言したという。
法務省人権擁護局の菊池浩局長は「選挙中にヘイトスピーチがあったという報道があることは承知。今回の選挙運動における不当な差別的言動に関する情報の有無などについては、特定の候補者や政党への予断を生じさせる恐れがある」と慎重な言い回しだった。
一方、山下貴司法相は「HSはあってはならないと認識。許されないことを国民に浸透することが大事だ。ポスターをはる、冊子の配布などをやってきた。被害申告があれば内容を吟味して人権侵害の有無を判断して対処するよう法務局に通達した。しっかりと取り組みたい」と答弁した。
有田議員は「選挙期間中、在日コリアンは毎日ずっとヘイトデモが行われていると感じている。ヘイトスピーチにおびえ、買い物もちゅうちょするし、運動員がいれば逃げ出すほど深刻な思いをしてきた」と厳正な対処を求めた。
引き続き公明党の伊藤孝江議員からも関連質問があった。
(2019.04.17 民団新聞)