掲載日 : [22-10-24] 照会数 : 7997
在日同胞の許海実がまた優勝…柔道グランドスラム
[ 東京五輪金メダリストを破って優勝した許海実(写真:IJF) ]
[ グランドスラム2連覇の許海実(左から2人目)(写真:IJF) ]
在日同胞の許海実(ホ・ミミ=19、慶北体育会)が22日(現地時間)、柔道のグランドスラム・アブダビ大会の女子57キロ級決勝で、東京五輪金メダリスト、ノラ・ジャコヴァ(30・コソボ)をゴールデンスコア(延長戦)の末、押さえ込みの一本勝ちで優勝した。
許海実は今年6月、国際大会デビュー戦となるグランドスラム・トビリシ国際大会で金メダルを獲得したのに続き、2度目の優勝となる。
許海実は9日、ウズベキスタンのタシケントで開かれた世界選手権では5位にとどまったが、準々決勝で世界ランキング1位のジェシカ・クリムカイト(カナダ)を破る波乱を起こした。
今大会で優勝したことで、世界ランキングが10位圏内に入るものと期待され、国際舞台デビュー5カ月でランキング圏外の無名から一躍、韓国女子柔道の期待株に浮上した。
許海実は「世界選手権大会で入賞できなかった悔しさを今回のグランドスラム優勝で吹き飛ばして嬉しい。惜しみない支援をしてくれた慶北と慶北体育会に感謝したい」としながら、「来月の韓国代表選抜戦をしっかり準備して2022年を素敵に締めくくる」と新たな決意を述べた。
許海実は2002年、東京都江戸川区出身。父親は韓国国籍、母親は日本国籍だ。祖父母は韓国国籍だ。父と祖父の故郷が慶尚北道軍威の許海実は、東京都江戸川区出身。祖母は民団江戸川支部婦人会長を歴任した。高校2年だった2019年6月に慶尚南道の慶山で開かれた韓国ジュニア選手権で優勝し、韓国代表入りした。
早稲田大学スポーツ科学部2年生だった昨年、祖母の遺言で日本国籍を放棄した後、慶北体育会柔道チームに入団し、今年2月、代表チーム選抜戦を通じて韓国代表になった。
許海実は独立運動家、許碩(1857~1920年)の子孫でもある。許碩は日時代の1918年、慶尚北道地域に抗日檄文を貼り付け、日本警察に逮捕され獄中にあった独立闘士だ。出獄した3日後の1920年4月24日に死去した。1982年に大統領表彰、1991年に建国勲章「愛国章」を受章し、慶尚北道軍威郡に殉国記念碑が建立されている。