掲載日 : [22-11-17] 照会数 : 5126
国連委が北朝鮮人権非難決議を18年連続採択
国連総会の第3委員会(人権)は16日(米東部時間)、北朝鮮の組織的かつ広範な人権侵害を非難し改善措置を求める決議案を、議場の総意(コンセンサス方式)により投票なしで採択した。同種の決議採択は2005年から18年連続で、来月の国連総会本会議で正式採択される見通しだ。韓国は4年ぶりに、決議案に賛同を示す共同提案国に加わった。決議案は、韓国の前政権期に起きた北朝鮮軍による韓国人男性公務員の射殺事件と北朝鮮住民の強制送還にも初めて言及した。
決議案の草案は欧州連合(EU)加盟国が主導して作成した。韓国外交部は「文言の協議にも積極的に参加した」と説明した。
決議案は既存の決議の文言をほぼそのまま用い、▼拷問、恣意(しい)的な拘禁、性暴力▼政治犯の収容所▼強制失踪▼移動の自由の制限▼北朝鮮に送還された脱北者の処遇▼宗教・表現・集会の自由の制約――などを列挙し、北朝鮮の組織的かつ広範な人権侵害を「最も強い言葉で糾弾する」とした。
外国人に対する拷問、即決処刑、恣意的な拘禁、拉致などを懸念する内容には、新たに「遺族と関係機関に全ての関連情報を公開するよう北朝鮮に求める」との文言を加えた。韓国の前政権期に黄海上で起きた北朝鮮軍による韓国人男性公務員の射殺事件を巡り、韓国政府と遺族の要求を反映したものとみられる。
韓国の前政権期に北朝鮮に強制送還された北朝鮮住民に関しては「強制失踪、恣意的な処刑、拷問、不当な待遇の対象になってはならない」と指摘した。
新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、人道的な国際機関の北朝鮮アクセスを認めるよう促す内容も新たに盛り込んだ。
決議案は国連安全保障理事会に対し、北朝鮮の人権侵害を国際刑事裁判所(ICC)に付託し、「最も責任あるとみられる者」への追加制裁を考慮するよう勧告した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)を指したとみられる。こうした文言は9年連続。
また、新型コロナの影響で北朝鮮の人権状況が悪化していると指摘しながら「住民の福祉でなく、核兵器と弾道ミサイル開発に資源を流用した」と非難した。
拉致被害者を直ちに送り返すこと、朝鮮戦争などで生き別れになった南北離散家族を再会させることも促した。
北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使は例年と同様に「決議案の内容を断固として拒否する」とし、「政治的な策略」と反発した。
【聯合ニュース】