掲載日 : [22-09-20] 照会数 : 4885
徴用犠牲者に祈り…旧荒金鉱山で80回忌法要
[ 在日同胞28人を含む犠牲者を悼む黄龍也団長 ]
【鳥取】1943年の鳥取地震で犠牲となった日本人住民を含む韓国人労働者とその家族を悼む80回忌慰霊祭が10日、岩美郡岩美町荒金の旧荒金鉱山で営まれた。主催は5年ぶりに「岩美町日韓友好事業実行委員会」が担った。通年で慰霊祭を主催してきた民団鳥取本部(黄龍也団長)も今回は実行委員会メンバーとして参画した。
実行委を代表して荒金地区の区長を務める笹尾喜昭委員長が「ここに犠牲者が眠っていることを忘れてはならない」と述べた。黄団長は犠牲者のなかには28人の韓国・朝鮮人が含まれていると述べた。梁起豪駐神戸総領事は慰霊祭が「未来志向の韓日関係、友好に寄与している」と意義を強調。伝統打楽器グループ「トゥルリム」のメンバーが「鎮魂の調べ」を奏でた。
旧荒金鉱山では当時の日本鉱業が銅のほかにも金・銀・鉛・亜鉛を産出していたところ、鳥取地震で大量の鉱泥を集めていた堰堤が決壊し、65人が犠牲となった。特に堰堤の下にあった韓国人労働者の飯場は泥流の一番下に埋まっていると考えられ、発見された遺体はわずか2体のみだった。
この日の慰霊祭には犠牲者の一人、朴龍福さんの遺族2人が岐阜から参加した。
献花に先だって民団鳥取本部の薛幸夫常任顧問が「韓国人犠牲者は地震による死だが、強制動員に遠因があったことを忘れてはならない。それ故にわれわれは立ち続けている」と結んだ。