掲載日 : [18-08-22] 照会数 : 13202
南北離散家族、会って2日でまた別れの準備
[ 南北離散対面2日目の21日、金剛山ホテルで開かれた団体対面で、南側チェ・ギホさん(83)が北側のめいのチェ・グァンオクさん(53)の踊りを見ながら拍手をしている(写真=共同取材団) ]
離散家族対面2日目の21日、金剛山(クムガンサン)で会った南北の家族は個別(家族別)対面と昼食・団体対面などの日程を消化した。特に、この日午前、外金剛(ウェクムガン)ホテルの客室で家族別に個別対面をし、続いて客室に配られた弁当で昼食を共にして絆を深めた。午後は席を金剛山ホテル宴会場に移して団体対面の時間も持った。
前回までの対面行事では、2日目午前に約2時間ほど個別対面を行ったが、食事は大型宴会場ですべての家族が参加する中で進められた。だが、家族の水入らずの時間を増やすべきだという指摘で、南北当局が事前協議を通じて個別食事日程を取り入れたという。韓国政府当局者は「常時対面にはまだ至っていないが、他人の目を気にせずこれまでできなかった話ができるようにした措置」と説明した。
65年ぶりに会った離散家族の涙はこの日も乾かなかった。初日に比べて家族はやや安定を取り戻したが、喜びと興奮が収まることはなかった。これまでの焦がれるような思いを、数時間の対面で十分にぶつけることができなかったせいだ。北側の弟(キム・ウナさん)に会ったキム・ヘジャさん(75)は「赤ん坊の時に別れて73年ぶりに会ったが帰したくない。愛している」と言って弟を抱きしめた。キムさんが「私がソウルから『ウナよ!』と呼ぶから」と言うと、弟は「では私が(北朝鮮から)『は~い』と返事しますね」と答えるなど、冗談混じりに離別を準備する様子もうかがえた。
ペ・スンヒさん(82)は「死んだと思っていた姉さんに会えた。昔の思い出話をして、同じことでもまた話したい」と語った。姉(チョ・ヘドさん)と一緒に対面会場にやってきたチョ・ドジェさん(75)は北側の長姉に「私が一番最後(末っ子)だから…会いたかったが皆逝ってしまった」と言って、一歩遅れた対面を惜しみながら涙を飲んだ。
健康上の問題で対面日程に参加できない家族もあり、周囲を残念がらせた。この日午前、北側の親戚に会ったカン・ファジャさん(90)は突然体調が悪くなり午後の団体対面をあきらめた。北側の2人の娘であるキム・ギョンシル-ギョンヨンさん姉妹は明るい表情で待っていたが、ついに母親(ハン・シンジャさん、99)の顔を見ることができなかった。2人は母親の顔をもう一度見ることができるという期待で胸を膨らませていたが、ハンさんが南側で産んだ娘のキム・ギョンボクさん(69)が遅れてやってきて「(母親の)疲労が重なり、宿舎で休むことにした」と言うと、失望する様子が歴然だった。
北側の妹と親戚に会いに来たキム・ダリンさん(92)も健康状態が思わしくなく、団体対面に参加することができなかった。親戚がすぐそこにいながらも顔を見ることができないケースが続くと、対面会場には悲しみのため息が出たりもした。だが、そんな中でも離散家族の間に親密な時間を持てるようにしたのは幸いだった。
ホテルの客室で個別に食事を取ったほか、最終日(3日目)家族親戚の顔を「少しだけ」見て別れなければならなかった以前とは違い、南北は離散家族が昼食を共にした後で別れるように日程を調整した。また、22日午前11時に予定されていた離別対面時間を午前10時に前倒ししてさらに1時間会えるようにした。離散家族はこの日、団体対面と共に食事をした後、約束のない別れをする。
対面会場内外では、今回の対面行事参加者のうち90歳以上が34人を占めるなど高齢化が深刻化していると指摘しながら、イベント性を帯びた離散家族対面を定例化させる方案づくりが急務だと口をそろえた。
2018年08月22日 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]