大統領選へ 本国にも働きかけ
親愛なる同胞の皆さん!
日本の過酷な植民地支配から解放されて、76年目の光復節を迎えました。
今年は1946年に民団が創団されてから、75周年という節目に当たります。
私たちは、貧困と苦難の中で、祖国と在日同胞社会の発展のために献身してこられた諸先輩に深く感謝するとともに、解放を見ることなく犠牲となられた先人たちに衷心より哀悼の意を表したいと思います。
民団は1948年8月15日に韓国政府が樹立された後、在日同胞唯一の公認団体として正式に認められました。民団は創団以来70年以上にわたり、一貫して在日同胞の生活と安定のために努力して参りました。一方で、祖国の復興と発展に大きく貢献し、韓日友好の架け橋としても大きく寄与して参りました。
◆コロナ禍乗り越え
親愛なる同胞の皆さん!
民団は、昨年から続くコロナ事態や毎年のように発生する集中豪雨等、いつ災害に見舞われても同胞社会の活力が失われないよう、皆さんの暮らしを守り同胞経済や社会活動を支えてまいりました。日本政府の様々な対策から排除や差別をされないよう全力を尽くしてまいりました。
今年に入り、コロナワクチンの普及により、コロナ禍の収束にようやく一筋の光が見え始めましたが、団員・同胞の皆さんは、引き続き気を緩めることなく感染の防止に努めていただき、コロナ終息まで共にこの危機を乗り越えて参りましょう。
◆未来志向の関係を
親愛なる在日同胞の皆さん!
在日同胞社会の安定と発展は、韓日両国間の友好親善なしには成り立ちません。現在、韓日関係はコロナ事態と重なって難しい状況に置かれています。韓日友好を願う私たち在日同胞の思いは切実であり、どんなことがあっても根気強く、善隣友好を継続していくことが民団のモットーであります。
1998年、金大中大統領と小渕恵三首相による「21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ宣言」の精神にもとづき、過去の歴史を克服し、未来志向の韓日関係の構築のため、懸案事項の一日も早い解決を切に願うものであります。私たちはこれまで培ってきた韓日友好の絆を糧に、両国の架け橋としてその役割を一層果たしていきましょう。
◆韓半島の真の平和へ
在日同胞の皆さん!
来年は第20代韓国大統領選挙があります。在日同胞として貴重な一票を投じることを通じて、次世代の民族教育と在日同胞の権益増進のために本国政府に働きかけていきましょう。多くの在日同胞の声が本国の在外同胞政策に反映されるよう、団員の皆様の積極的参与をお願いします。
在日同胞の皆さん!
祖国を守ってきた先人たちの尊い犠牲があったからこそ、自由と民主主義国家・大韓民国の今日の繁栄があることを、私たちは忘れてはなりません。韓半島で二度と戦争を起こさないためにも、北韓の完全なる非核化と、北韓住民の人権と自由が尊重される民主化が実現されなければなりません。韓半島の真の平和と安定のために、私たちも一層寄与して参りましょう。
◆団員の生活を守り
親愛なる在日同胞の皆さん!
昨年からのコロナ事態に加え、定期中央大会の混乱が重なり、民団事業が一部停滞していることに対し、団員同胞の皆様に大変申し訳ない思いです。
私は中央団長として、中央大会をめぐる一連の混乱について一日も早い収束と信頼回復に努め、民団組織の結束と同胞社会の発展のために一層尽くして参る所存です。民団は、これまでも内部の意見の対立は内部で解決し、総和と融和をもって幾多の困難を乗り越えてきました。
第76周年光復節を契機に、私たちは一つに結束し、同胞の生活と権益擁護、オリニ育成事業に力を尽くして参りましょう。韓日友好交流事業を地道に進め、ヘイトスピーチ等の差別根絶に向けて力を合わせていきましょう。コロナに負けず、同胞家庭訪問を進め、団結し連帯していきましょう。そのことを皆様とともにお誓いしながら、慶祝辞に代えさせていただきます。
2021年8月15日 在日本大韓民国民団中央本部 団長 呂健二