掲載日 : [21-08-20] 照会数 : 8079
各地の76周年光復節記念行事、趣向こらし規模縮小で開催
[ 婦人会から新成人に記念品が贈られる(宮城) ]
[ 民団と在日同胞の足跡を振り返る写真展(佐賀) ]
[ S・K奨学金の認定証授与式も(神奈川) ]
[ 愛知はライブで配信するハイブリッドで開催 ]
[ 平野伸人所長が「韓国人被爆者支援の活動を通して」と題して講演(長崎) ]
在日同胞社会最大の慶祝行事ともいえる76周年光復節記念行事が東京以外にも各地で開催された。昨年に続きコロナ禍に見舞われ、式典開催そのものが危ぶまれていたが、各地方本部が細心の感染防止対策を施し、参加者を最小限に絞って実施にこぎつけた。
◆東北地区…宮城は成人式も同時に
宮城(金政郁団長、15日=仙台市内の結婚式場)
式典と併せ、延期していた成人式も同時開催した。対象者20人のうち11人参加。このうち9人が民団のオリニ事業を通して育った若者たちだった。成人式の司会進行、運営は青年会や留学生が担当し、初々しさに満ちていた。新成人の姜愛花さんは幼少期から民団と関わり、韓国を身近に感じてきた。代表して「韓国にルーツを持つことに誇りを持ち、地域社会に貢献できる人材をめざす」と誓いの言葉を述べた。
岩手(李太炯団長、12日=同本部)
出席者を20人ほどに限定しての縮小開催。会場を事前消毒して来場者を迎え入れた。李団長は7月中旬に沿岸地域を家庭訪問してマスクとマスクケースを伝達し、団員の安否を確認したことを報告。「皆さんにとても喜んでいただいた。やはり民団は家庭訪問することが重要だとあらためて認識した」と述べた。駐仙台総領事館からは林煕順総領事が出席し、慶祝辞を読み上げた。
秋田(呉尚俊団長、4日=秋田市内のホテル)駐仙台総領事館から新任の林煕順総領事が参席。民団役員と初顔合わせを行った。
◆関東地区…神奈川はオンライン抽選で賞品配布
神奈川(李順載団長、15日=同本部)
式典は役員のみ55人に限定し、一般団員は生放送のYouTubeチャンネルを通じて視聴した。李団長が記念辞、尹喜粲駐横浜総領事が慶祝辞を読み上げた。席上、公益財団法人コリアグローバルアカデミーヨコハマ(金時鐘理事長)による2021年度S・K奨学金の認定証授与式があった。第2部抽選会で50インチハイビジョンテレビなどの賞品102個の当選番号が決まった。
栃木(陳賢徳団長、7日=同本部)
陳団長は韓日関係改善へ、地域に根差したプロジェクトを展開していくと明らかにした。この事業は江戸時代から鹿沼市に伝わる朝鮮ニンジンの栽培技術を継承しようというもの。陳団長が責任者を務める。
茨城(金桂一団長、9日=同本部)
コロナ蔓延のため、会場に予定していたホテルをキャンセルして役員のみでの開催となった。金団長は来年3月に行われる韓国大統領選挙への積極的な参加を呼びかけた。
埼玉(田虓玔団長、7日=同本部)
参加者を絞って開催した。田団長は「独立のため犠牲になられた先達の崇高な精神を決して忘れてはなるまい」と呼びかけた。
西東京(崔貫一団長、11日=同本部)
崔団長は韓日関係と南北関係の改善に言及し、東京オリンピックでの韓国選手の頑張りを称えた。参加団員には昼食の弁当と記念品を手渡した。
新潟(鄭和仁団長、15日=同本部)
鄭団長が「大切な記念式を次世代に継承しながら、韓日両国の懸け橋としての役割を果たしていこう」と呼びかけた。2部は土曜学校オリニを楽しませるけん玉パフォーマンスとワークショップを行った。
◆中北地区…愛知はライブで配信
愛知(朴茂安団長、15日=同本部)
会場は本・支部役員に限定。一般団員と関係者の参加は断り、YouTubeによるライブ配信を行った。朴団長は「今年度中に対面での活動を再開できる」との見通しを述べ、共生社会実現への意欲を表明した。第2部で朴斗鎮氏(コリア国際研究所所長)が「解放76年を迎えた韓半島情勢」と題して講演した。
岐阜(董勝正団長、15日=岐阜市内のホテル)
例年よりも規模を縮小した結果、参加者は民団と婦人会の関係者45人にとどまった。董団長は「コロナ禍のなか、民団はいままで以上に団員とのパイプを強め、組織力を高めていかなければならない」と強調した。婦人会愛知・春日井支部伽=舞踊団が祝賀公演を行った。
三重(殷慶基団長、15日=四日市市内のホテル)
コロナ対策として2回のワクチン接種を終えた団員を中心に出席を呼びかけた。殷団長は「しっかりと感染予防対策をしながら民団行事をやっていきたい」と述べた。式典後、韓国歌謡ショーが行われた。
石川(朴賢沢団長、8日=同本部)
コロナ感染予防対策として式典の模様をZoomでオンライン発信した。2部歴史セミナーでは「青・壮年会」の董又碩会長が韓半島が植民地化されるに至った過程から光復までの重要な事件について説明した。
◆近畿地区…京都、行政関係者招く
京都(金政弘団長、16日=京都市内のホテル)
京都日韓親善協会の天江喜七郎会長ほか議員と京都府・京都市の関係者を招いた。金団長は「いままで以上に草の根からの韓日親善・友好の取り組みを積極的に進めていきたい」と決意を述べた。
奈良(李勲団長、15日=同本部)
李団長は「在日同胞社会の求心力は民団の組織力。先輩たちの創団精神を継承し、内外の問題に対応できる力をつけよう」と呼びかけた。駐大阪総領事館の姜文錫領事、婦人会中央本部の劉代永会長が参席。式典後、百済王氏研究家の三松みよ子さんが「百済渡来の歴史」と題して講演した。
和歌山(孫文敏団長、15日=和歌山ビッグ愛会議室)
コロナ感染防止のため顧問と主だった役員だけで開催。駐大阪総領事館から金明中領事が参席した。席上、孫団長は「コロナ局面を早く乗り越えて通常の行事、イベントなどが早くできることを祈る」と述べた。
◆中国地区…「記憶語り継ぐ」
広島(李英俊団長、15日=同本部)
韓国奨学会から在日同胞の大学生5人に奨学金を授与。6月の在日韓国人学生弁論大会で「金賞」を受賞した中学生の鄭世希さんが韓国語で、韓国から来た同じく中学生の趙荷娟さんは日本語でそれぞれ祝賀スピーチを発表した。式典に先だって伝統国楽公演が行われた。
鳥取(黄龍也団長、7日=同本部)
連日の猛暑にコロナ禍が重なり、内外からは「止めとき」コール。黄団長まで体調不良で欠席したほどだった。代わって薜幸夫常任顧問が「解放の喜び、記憶を語りつなぎ継承していくのが我々の使命」と式典の意義を述べた。米子からも参加した。
山口(徐鶴奎団長、8日=下関シーモールパレス)
式典終了後の2部の講演会で広島市立大学の孫賢鎮准教授が「韓国のコロナ防疫と安全保障」と題して講演した。
島根(金吾男団長、15日=同本部)
本部と婦人会役員のみの参加で式典を開催した。
◆九州地区…佐賀では在日写真展開く
福岡(李相鎬団長、15日=博多八仙閣本店)
300人収容の会場ながら80人に限定した。李団長は「在日同胞として、粘り強く善隣友好を継続していく」と決意を表明。来年の第20代大統領選挙への積極的な参与を呼びかけた。「真の韓日友好を願って!」を副題とした第2部芸能公演でポペラデュエットHUEのDVD公演を鑑賞した。
長崎(姜成春団長、15日=諫早市内のホテル)
大雨特別警戒のため、1日延期しての開催。姜団長によれば団員宅に大きな被害は確認されていないという。第2部で平和活動支援センターの平野伸人所長が「韓国人被爆者支援の活動を通して」と題して講演した。
佐賀(朴弘正団長、13日=県立生涯学習センター「アバンセ」)
同会場で在日同胞と民団の足跡を振り返る「写真展」と在日同胞の歴史文化講演会を同時開催した。
展示写真は1960年代までさかのぼる261点。同本部会館の竣工や県日韓協結成、商銀設立、各種式典の模様からは当時の在日一世のパワーが伝わってきた。78年3月11日には日本の元皇族、李方子女史が韓国会館を訪れた。民団役員が出迎え歓談した様子がうかがえる。式典は入場制限を行い25人を上限にした。
大分(呉成秀団長、9日=同本部)
コロナ感染対策として民団関係者のみでの開催。式典後の前期幹部研修会では民団中央本部の鄭夢周副団長が「ポスト・コロナ感染症 在日同胞社会への影響」と題して講演した。