昨年は新型コロナウイルスの影響で開会式が行われず、2年ぶりに観客を迎えての開催となった。
海雲台の映画祭専用館「映画の殿堂」の野外劇場で午後6時から始まった開会式は、俳優のソン・ジュンギと女優のパク・ソダムが司会を務めた。
新型コロナの影響で昨年は省略された開会式のレッドカーペットイベントも行われ、集まった観客が華麗な衣装を身につけた映画関係者らを大きな歓声で迎えた。
◇オープニング作はイム・サンス監督の「幸福の国へ」
今年は、オープニング作品に選ばれた韓国のイム・サンス監督の「幸福の国へ」(原題)をはじめ、約70カ国・地域の200本を超える作品が6劇場・29スクリーンで上映される。
「幸福の国へ」は、2人の男性が偶然手に入れた大金で人生最後の幸せを探すため特別な旅に出たことで繰り広げられる出来事を描いたロードムービー。
映画祭は15日午前の記者会見に続き、午後に行われるクロージング作品「Anita」(梁楽民監督)の上映を最後に閉幕する。
コンペティション部門の「ニューカレンツ」では、ノミネートされた11作品が競争を繰り広げる。BIFFに先立って開かれたカンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭など世界有数の映画祭のオープニング作や受賞作がノミネートされた。インド出身の巨匠、ディーパ・メータ監督が審査委員長を務める。
◇変化する映像産業 「オンスクリーン」新設
新型コロナの世界的な大流行が映像産業に変化を引き起こした中で、「ニューノーマル(新常態)」時代を迎える映画祭の方向やビジョンが検討され、今年は新たなプログラムとして、オンライン動画配信サービスのシリーズ物を上映する「オンスクリーン」が新設された。映画とドラマの境界が崩れ、広がる映画産業の姿が反映された。
特別展「ワンダーウーマンズムービー」ではアジア最高の女性監督の作品を、「中国映画、新しい声」では2010年以降に名が知られ始めた中国の監督の作品を紹介する。
◇BIFFが「ウィズコロナ」の試験台に
今年のBIFFは、コロナ禍で開かれる大規模な文化イベントとしては国内では初めてで、「ウィズコロナ」の試験台になるものとみられる。
昨年は開会式、閉会式、舞台イベントが行われず、映画の上映だけで終わったが、今年は以前の映画祭の形に戻る。
劇場での作品上映が原則となり、昨年は各作品1回のみ上映されたが、今年は例年と同様2~3回ずつ上映される。ただ、新型コロナの防疫規則に従い、座席数は全体の50%に減らされる。
開会式の観客、ゲスト、スタッフ、取材陣は2回のワクチン接種を終えてから2週間過ぎている場合、またはウイルス検査で陰性だった場合のみ参加できる。全てのイベント会場や劇場内ではマスク着用が義務付けられる。
映画祭関係者は「昨年は開会式、閉会式をはじめ全ての行事が取り消しになったが、今年は室内外の劇場、イベント会場で距離の確保を適用し、対面で開く」とし、防疫に最善を尽くす方針と説明した。
【聯合ニュース】
記事原文
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20211006004900882?section=news#none