文大統領の訪米はバイデン大統領の招待を受けて実現した。米国を訪問し、バイデン大統領と対面で会談する首脳は菅義偉首相に続き、文大統領が2人目となる。
文大統領の海外訪問は2019年12月、韓中日3カ国首脳会談のため訪中して以来、約1年半ぶりとなる。新型コロナウイルスの影響で海外訪問を行っていなかった。
会談では新型コロナウイルス対応や北朝鮮の核問題などについて議論する見通しだ。とりわけ、新型コロナウイルスのワクチンを巡るパートナーシップ構築が主な議題になるとみられる。文大統領は17日の首席秘書官・補佐官会議で、「今回の訪米をワクチン協力を強化してワクチン生産のグローバル・ハブへと進む機会にする」と述べていた。
青瓦台高官は記者団に「両国のワクチン協力に関するさまざまな議論が行われる」として、「ただ、現在調整中のため、どのような形になるか話すことは差し控えたい」と述べた。
半導体・バッテリー分野の協力も主要議題として取り上げられる。文大統領は新型コロナウイルスワクチンを巡り米国の協力を取り付ける上で、韓国が世界をリードする半導体・バッテリーを活用する考えだ。バイデン氏は半導体・バッテリーの供給網強化に向け韓国に対米投資を求めると予想される。
文大統領の訪米には、サムスン、SK、LGの各グループでワクチンや半導体、バッテリー事業を担う経営陣が同行する見通し。首脳会談を機に民間レベルの協力も深まりそうだ。
一方、中国けん制を目的とした米国、日本、オーストラリア、インドによる枠組み「クアッド」への韓国の参加問題が議題に上る可能性もある。クアッドが主な協力分野として、ワクチンと新技術、気候変動の三つを掲げているためだ。
韓半島を巡る懸案も協議する。文大統領は今回の会談を南北・米朝対話再開の足掛かりとし、韓半島の平和構築を進展させたい考えだ。
バイデン政権はすでに対北朝鮮政策の検証を終えているため、会談では韓半島の非核化と平和体制構築に向けた方策を模索するとみられる。この際に文大統領が韓国戦争の終戦宣言などを改めて提案するかどうかが注目される。
青瓦台高官は「米国はシンガポールでの(米朝首脳の)合意に基づき米朝対話に取り組み、制裁緩和を提供する用意ができていると発表している」とし、韓米首脳会談の合意文書に盛り込む内容は米側と協議を続けていると伝えた。文大統領とバイデン大統領は会談の結果を共同記者会見で説明する予定だ。
文大統領は米国滞在中、20日にアーリントン国立墓地訪問、ペロシ下院議長をはじめとする下院執行部との懇談会、21日にハリス副大統領との面会、ワシントンの公園に設置される韓国戦争戦没者追悼の壁の着工式出席などをそれぞれ予定している。
文大統領はアトランタで韓国・SKイノベーションの工場を視察する日程も調整中だ。23日午後に帰国する。
【聯合ニュース】
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