掲載日 : [21-05-19] 照会数 : 9236
北韓強制収容所を描いた映画「トゥルーノース」6月4日から全国公開へ
[ 日本外国特派員協会で記者会見する清水ハン栄治監督(左)と土井香苗さん、宋允復さん ]
北韓強制収容所の内情を3Dアニメーションで描いた話題作「トゥルーノース」(清水ハン栄治監督・脚本・プロデューサー、94分)が6月4日から東京のTOHOシネマズシャンテほか全国で公開される。
1960年代に北送され、平壌に住む4人家族が主人公。父親は政治犯の疑いで逮捕され、残された家族が強制収容所に送還されるところから物語が始まる。
作品は収容所内での厳しい生存競争、生きんがために他人を欺むく密告制度、公開銃殺、拷問、過酷な労働環境、在日差別などを親子3人の視点で描く。目をそむけたくなるような残忍な内容も、アニメーションの手法を使ったことで目を背けることなく見ていられる。こうした極限の中「人間らしく生きるとはどういうことか」との問いかけも重たいテーマだ。
清水ハン監督に北韓強制収容所の手記を手渡し、映画化を後押ししたのは国際的規模の人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の土井香苗日本代表。手記を読んだ清水ハン監督には「想像をはるかに超えるものだった」。清水ハン監督は自ら多くの脱北者に取材し、この問題に詳しい宋允復さん(「NO FENCE」副代表)と二人三脚で制作に取り組んだ。
3人は18日、東京・千代田区の日本外国特派員協会で記者会見した。
席上、土井代表は「北の人権侵害に世界各国はそれに見合った対応をとっていない。あまりに閉鎖的で情報が少ないからだ。この映画が果たす役割は大きい」と述べた。