「包容的なグリーンリカバリーを通じた炭素中立(カーボンニュートラル)ビジョンの実現」をテーマとする今回のサミットには文在寅大統領をはじめ、50カ国・地域の首脳クラスや高官、約20の国際機関のトップがオンラインで参加した。
韓国で開かれた初の環境分野の多国間首脳会議であり、2018年に続く2回目のP4Gサミットで、参加者は会議期間中、包容的なグリーンリカバリー、炭素中立、官民の協力に向けた意思と行動計画を示した。
特に包容的なグリーンリカバリーのための先進国の役割や開発途上国に対する支援が強調された。
サミット参加者は2日間の協議の結果を盛り込んだソウル宣言文で「気候危機は環境問題を超え、経済・社会・安全保障・人権と関連した課題に影響を及ぼす急を要する国際的な脅威」と指摘した。
気候問題解決のための具体的な方策として「太陽光・風力エネルギーなど再生可能エネルギーの発電比率の拡大を通じ、エネルギー転換を促進するための国際協力を強化する」とする内容が盛り込まれた。
また脱石炭や海外の石炭発電所建設に対する政府開発援助(ODA)中断のための方法摸索を促し、二酸化炭素排出量を減らすのが難しい分野ではクリーン水素の使用を促進するという確約も含まれた。
参加者は11月に開かれる予定の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の成功と温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の目標実現のため協力をさらに強化することで合意した。
パリ協定では2100年までに産業革命前に比べて世界の平均気温の上昇を、1・5度までに抑えるとう目標を掲げており、今年が履行の最初の年となる。ソウル宣言文にも同様の目標が盛り込まれた。
また参加者は「海洋汚染問題の深刻性について認識を共にし、特に海洋プラスチック問題解決のために国際的な結束が必要という点に同意する」とし、「海運の脱炭素化を通じて海洋の持続可能性を強化し、海洋のさらなる汚染を予防するために努力する」と宣言した。「海洋汚染問題の解決」は文大統領が今回の会議で提案した。
さらに参加者は「個別の国の異なる状況や社会、環境的に脆弱な集団を考慮し、グリーンリカバリーが公正な転換が盛り込まれた包容的な過程になるよう努力する」とする考えで一致した。パリ協定の履行などにおいて、先進国と開発途上国の差を認め、開発途上国に対する支援努力を傾けるという意味と受け止められる。
サミット開催国の韓国は「包容性強化」を目標に、気候先導国と開発途上国がそろって参加できる共同の文案を導き出すため注力したと伝えられた。
また参加者は「新型コロナウイルスとの戦いが国際的な気候危機への対応にとって重要な示唆を提供する」とし「新型コロナはグリーンリカバリーを通じて克服されなければならない」と指摘した。
この他にもソウル宣言文には▼パリ協定目標達成のためのグリーン技術への投資・開発・拡散の協力▼持続可能な水管理のための投資推進▼ゼロ・ウェイスト(廃棄物)社会への転換促進▼グリーン投資のための資金流入拡大督励――などが含まれた。
次回のP4Gサミットはコロンビアで開催される。
【聯合ニュース】
記事原文
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20210531004700882?section=news