掲載日 : [21-06-29] 照会数 : 8965
DHCと取引中止を…コンビニ4社に署名提出'市民団体
[ 記者団に囲まれる清義明世話人代表(右、東京・千代田区) ]
謝罪と再発防止策求める
化粧品販売大手ディーエイチシー(DHC)の吉田嘉昭明代表取締役会長が自らのヘイトスピーチについて、取引先企業間だけの形式的な謝罪で幕引きを図ろうとしていることに抗議が続いている。
フリーランスジャーナリストの清義明さんが世話人代表を務める市民団体は24日、DHC商品の撤去と同社との取引停止を求める署名をコンビニ大手各社に提出した。提出先は順に東京・千代田区のセブン・イレブン・ジャパン、ローソン(東京・品川)、ファミリーマート(東京・港)、イオン(千葉市)の4社。
これらは5月12日からオンライン署名サイトChange.orgを通じて呼びかけたもの。前日までに目標とした1万人をはるかに上回る5万2353人が賛同し注目度の高さがうかがえた。
清さんは「DHCには何回もアプローチしたが、反省しているとは思えなかった。これは会長個人ではなく企業に問題がある。こうした不法行為をする企業を許すのはおかしい。僕らがやるのは国と東京都がやらないため。消費者が動けばDHCとの取引を考え直し、関連の商品を撤去してくれるかもしれないと考えた」と話した。
セブン・イレブン本社にはSDカードを添付した署名趣旨文を受付に手渡した。担当者からは「お受け取りします」との返事があったという。
NPO法人多民族共生人権教育センター(朴洋幸理事長)、部落解放同盟大阪府連合会(赤井隆史執行委員長)、部落解放大阪府民共闘会議(中野勝利議長)は14日、3団体連名であらためて公式謝罪と社内ルール策定などの再発防止策を求める文書を送った。
DHCが在日韓国人を露骨で脅迫的な人種差別発言で脅迫したヘイトスピーチ文書は5月31日現在、同社オンラインショップ上からすべて削除されている。取引先の流通大手イオン(千葉市)には「人権に関わる不適切な内容」であり、「非を認め、当該発言を撤回」したこと、「今後同様の行為を繰り返さない」と約束したことも明らかになった。
市民団体はこれを「問題解決に向けた第一歩を踏み出されたもの」と肯定的に評価。一方で被害当事者への公式謝罪がなく、組織体制、企業風土をあらためるなどの再発防止策を策定していないことには強く抗議し、今回の事件に関する経緯や原因の究明・分析を強く求めている。
なお、DHCが主要株主を務める同系列の株式会社DHCテレビジョンが制作し、2日に放送した「虎ノ門ニュース」ではWEB㌻から削除した人種差別文書を画面に映し、出演者が「差別でもなんでもない」と擁護する内容を放送している。