掲載日 : [21-07-06] 照会数 : 10091
所謂「民団正常化委員会」の「近況報告」に関する業務連絡と寄稿
民団中央の李清鍵組織局長は5日、所謂「民団正常化委員会」の「近況報告」に関する業務連絡と金明弘大阪本部副団長の「いわゆる民団中央正常化委員会からの7月1日付発信文について」を各地方本部3機関長、中央傘下団体長宛てに発信した。
◆業務連絡
6月30日に大阪韓国人会館で開催された全国地方3機関長・中央傘下団体長会議に関して、いわゆる民団正常化委員会が「近況報告」(7月1日付)として全国の民団地方本部・中央傘下団体に文書を送付しております。
同文書は、会議の内容を正しく伝えておらず、独善的に解釈した内容というほかありません。また「前任組織局長の指示」の下りなど明らかに虚偽の内容を含んでおります。
当日ご参加された民団大阪本部の金明弘副団長が、同文書に対する見解を発表しております。会議内容に関して、不参加であった地方3機関長の誤解を招かないように送付いたします。
2021年7月5日
在日本大韓民国民団中央本部組織局長 李清鍵
◆いわゆる民団中央正常化委員会からの7月1日付発信文について
民団大阪府本部副団長 金明弘
去る6月30日に民団大阪府本部のホールで開催された全国地方三機関長・中央傘下団体長会議について、いわゆる民団中央正常化委員会は7月1日付で全国の地方本部と中央傘下団体に向け書面を発信しました。それによれば、当日の会議への参加数は「わずか50名足らず」とあり、民団中央は期待どおり目的を達成することもできず、「中央の統率力の無さを露呈しただけ」に終わったとされています。そして「会議はお通夜のようであり、活発な意見交換ができる雰囲気ではなかった」との非難のコメントを添えました。
私は当日、開催本部の任員の一人として、この会議に出席し、中央本部からの報告や質疑のやり取りを終始念入りに傍聴しておりました。少なくとも会議は民主的に進められ、質疑応答についても自由な雰囲気の中で活発に行われたものと断言できます。お通夜のようであったとするコメントは全く事実に反するものであったということです。それどころか、同一人が数度にわたって意見を述べようとした時も、呂団長はじめ中央本部の役員はこれを遮ることもなく、忍耐強く冷静に耳を傾けておられました。私は傍聴しながら、予想以上に発言希望者が多く、且つ自由に意見のやり取りが進行していることを頼もしく思いました。
反面、当日地方本部三機関長の欠席者が多かったことは事実です。東京総領事ならびに大阪の新任総領事が公館を代表して来賓出席される場において、民団が紛糾状態にあるかに思わせる参加率に終わったことは極めて残念です。そして、これが「紛糾の可視化」を狙った正常化委員会の結果であるとするなら、民主主義の履き違えであると指摘せざるを得ません。正常化委員会に理解を寄せる人たちも積極的に会議に参加すべきであったのです。自己の主張や正当性を云々する前に、当該本部の団員から負託されている責務の重みをもっと自覚すべきではなかったでしょうか。
賛同署名数が中央委員、代議員の過半数に至ったので臨時中央大会の招集を求め、不信任案を提起したいとする主張についても、その是非はともかく、まず地方代表として会議に出席した上で考えを示すべきでした。日本の国会においても、先日、野党陣営から内閣不信任案が提出され、結果は否決となりましたが、不信任を求める議員が論戦の場である本会議を欠席することなどあり得ません。正常化委員会が地方本部に今般の会議へのボイコットを呼びかけていたとするなら、これは権利と義務の両方を放棄する行為と言わざるを得ないのです。ましてや欠席者が多かったことを勝ち誇るかの如く語るべきではありません。
正常化委員会を支持する人たちの中には少なからず私の古くからの友人、知人がいます。そして彼らもこれからの民団を共に担うべき貴重な人材であり仲間です。それだけに大局を見据えた理性的な行動をするよう強く再考を求めます。
大阪府本部の李元徹団長は、意見の違いがあるにしても、まず会議に参加してからそれぞれの主張をすべきであると冒頭の挨拶で述べましたが、これは至極正しい見識です。民主的ルールに基づき運営される民団組織には多様な意見があって然るべきです。そして、これらの意見調整には往々にして忍耐と労力を要するものですが、これこそ甘受すべき民主主義の代償と言えます。
意見の違いを尊重しつつ、より合理的で最多利益につながる結果が得られよう努力することが民団活動の基本指針でなければなりません。そのための重要な場の一つが先日の全国会議でもあったのです。東京オリンピックの開催が間近となりましたが、参加することに意義があるのはオリンピックだけでなく、わが民団の代表者会議も同様であることを改めて心に刻んでおきたいものです。