掲載日 : [21-07-07] 照会数 : 9947
「協働して危機を克服」2年ぶり全国団長会議で緊要課題
[ 大阪韓国人会館で開かれた全国地方3機関長・中央傘下団体長会議 ]
組織の結束と信頼回復、コロナ対策と活動の両立
民団中央本部は6月30日、大阪韓国人会館(北区中崎)で2021年度全国地方3機関長・中央傘下団体長会議を開き、新型コロナウイルス感染拡大の関係で見直しを余儀なくされた活動方針への共通認識を深め、①組織の結束と信頼回復②コロナ感染防止と民団活動の両立を緊要課題として捉え、各地域における活動展開を強化していく事を確認した。とくに、しばらく続くコロナ禍を見据え、オンラインなどを活用するなど、新たな趣向で地域同胞とのつながりを深めていくことや、次世代育成事業、草の根韓日親善事業などを推進していくことが提示された。あわせて、ワクチン接種率の進展を見据えながら秋以降から、対面方式の事業推進についても検討していくことを確認した。
◆次世代育成へアイテム制作も
新型コロナウイルスの影響で、2年ぶりの開催となった同会議(前回までは地方団長・中央傘下団体長会議)は各地方の3機関長と事務局長らに地元大阪本部の役員ら、合わせて約100人が参加した。
この1年間に新任・再選された地方3機関長と中央傘下団体長の紹介に続き、李元徹民団大阪本部団長が「最も同胞が多く住む大阪の会館にようこそ。同胞が生活を守っていくためにも民団は必要だ。次世代育成も含めて全国の民団が団結して前進しよう」と歓迎辞を述べた。
続いて、中央3機関長が順にあいさつ。呂健二団長は「この1年間、コロナ禍の影響で民団の事業が延期・中止・縮小となり、活動の低迷が続いてきた。しかし、ワクチン接種も進んできており、状況も大きく変わるだろう。これに備えて、同胞が集う場づくりの準備を進めていくべきだ」と述べた。
あわせて、中央大会以降続く混乱についても「『団結すれば立ち、分裂すれば倒れる』と言われるように、率直な意見を出し合い、みんなで共通認識を持ちながら、民団の繁栄へ進もう」と呼びかけた。
朴安淳議長も「コロナ禍の中、一歩ずつ前進させ、よりよき民団組織を作っていこう」とし、金春植監察委員長は「新たに就任した各地方の3機関長は大変な時期だが、活躍を期待している。中央監察機関として、不羈独立の基本理念に基づき、厳正中立、公明正大に責務を果たしていく」と述べた。
来賓として、趙成烈駐大阪総領事、東京から駐日大使館の金安那総領事、丁南洙駐大阪領事、在外同胞財団の張正煥駐在官が参席した。
趙総領事は「各地方と傘下団体で役員改選を終え、新たに就任した方、再任したリーダーが同胞社会の支え手として役割を果たしてくれることを期待している」とし、「同胞社会の和合と団結のため未来に向けて力を注いでほしい。そして韓日関係発展のため、日本市民社会との活発な交流の先頭に立ってほしい」と激励した。
会議では中央委員会以降の団務報告に続き、団務示達では、終息が見えない新型コロナウイルス感染拡大によって、執行委員会などを通じて見直した新年度活動方針の修正について解説された。
当面の課題として、①組織の結束と信頼回復②コロナ感染防止策と民団活動の両立ーの2点を提示した。
①では、▽中央大会を巡る混乱の収束▽分断・弱体化の動きを克服し、組織の結束▽全国的な一体感醸成▽団結して本団の存在意義を高めるとし、②では、▽団員と同胞の慰問・激励・支援(家庭訪問)▽高齢者・独居同胞のワクチン接種支援▽コロナ禍に対応した活動・事業推進▽協働して現在の危機を乗り越えるーとした内容だ。
今年度の重点事業として①同胞の生活と権益守護②韓日友好親善③次世代育成の3点を掲げている。同胞の生活と権益守護では、民団生活相談センターの充実と拡張を図ることが柱となる。このため、オンライン相談、専用ホームページの制作、地方センター支援と新規開設などを展開するほか、ネットでのヘイトスピーチ根絶活動を推進する。
韓日友好親善では継続して韓日関係の改善に向け、「10月のマダン」や各種交流事業など、地域での草の根交流を地道に継続していくことが示された。
次世代育成では昨年に続いて中止とした、次世代育成事業の一大イベント「オリニジャンボリー」の代替として、オリニ事業担当者を対象としたセミナーを開催する。
また、韓国語学習教材や韓国文化紹介教材などのアイテム制作にも取り組む計画だ。あわせて民団文化賞(孝道、絵画、詩歌、ウリマル普及の4部門)を復活し、次世代たちに幅広く応募を促す。
このほか、団員・同胞宅への家庭訪問や来年2月に行われる第20代韓国大統領選挙の在外選挙に備え、後半期から積極的に広報活動を展開していく。
創団75周年記念式典については、コロナワクチン接種の進展具合を見計らいながら、11月以降の開催で準備を進めていく。
この後、団務報告と示達に対する質疑応答の他、第55回定期中央大会をめぐる混乱状況に対する、率直な意見交換が行われた。