昨年のアカデミー賞では韓国のポン・ジュノ監督の「パラサイト 半地下の家族」が6部門にノミネートされ、外国語映画としては史上初の作品賞をはじめ、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の4冠に輝いた。その「パラサイト」でさえ果たせなかった演技部門での受賞を、映画デビューから50年を迎えた小柄な老優が成し遂げた。
ユン・ヨジョンの受賞は「予期された異変」だった。
韓国系米国人のリー・アイザック・チョン監督が自身の体験を下敷きに、1980年代に希望を求めて米国に移住した韓国人一家の物語を描いた「ミナリ」は、昨年1月の米サンダンス映画祭でグランプリと観客賞の2冠に輝いたのを皮切りに、1年余りにわたりさまざまな映画祭と授賞式で数多くの賞を受賞した。同作が獲得した100余りの賞のうち、約30は娘夫婦と孫を手助けするため韓国から来たスンジャを演じたユン・ヨジョンが受賞した演技賞だ。
こうしたムードのなか、ユン・ヨジョンはアカデミー賞助演女優賞の有力候補として取り沙汰され始めた。だが、アカデミー賞の前哨戦とされるゴールデングローブ賞では「ミナリ」が米国映画ながら外国語映画に分類され、ユン・ヨジョンは候補にも挙がらなかったことで波紋を呼んだ。
今月に入ると、ユン・ヨジョンは全米映画俳優組合(SAG)賞、英国アカデミー賞の助演女優賞をそれぞれ受賞し、米アカデミー賞での優勢を固めた。
SAGに所属する俳優はアカデミー賞を選考する映画芸術科学アカデミーの会員と多くが重なり、アカデミー会員のうち俳優が最も大きな割合を占めていることから、SAG賞はアカデミー賞の結果を占う重要な映画賞となっている。
米芸能メディアのバラエティーは英国アカデミー賞の発表を前後し、ユン・ヨジョンを米アカデミー賞の最有力候補に挙げるようになった。今月に入ってからは、現地メディアの各種受賞予測でも圧倒的優位を保っていた。
【聯合ニュース】
記事原文
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20210426001600882?section=entertainment-sports/index