掲載日 : [21-05-28] 照会数 : 13084
関東大震災朝鮮人虐殺と向き合う 呉充功監督招き上映会千葉で
![](upload_files/news/210527_呉允功監督講演と作品上映会 (2)13-32-12.JPG)
[ 講演する呉充功監督と母親が目撃した朝鮮人虐殺の事実を語り継ぐ尹峰雪さん(右) ]
【千葉】1923年の関東大震災朝鮮人虐殺を映像で記録している在日同胞2世、呉充功監督のドキュメンタリー作品「隠された爪跡」(83年)と「払い下げられた朝鮮人」(86年)が千葉市内の「cafe」で上映された。店主がシリーズ「お隣の国をもっと知ろう」と題して呼びかけたミニイベント。
「隠された爪跡」は横浜放送映画専門学院に通っていた当時20代の呉監督が卒業作品として日本人のゼミ仲間と1年かけて共同制作した。一方、「払い下げられた朝鮮人」は、千葉県の習志野収容所に強制的に集められた朝鮮人3200人のうち、一部が地元に「引き渡され」、民間人の手で殺害された事実を描く。いずれも加害と被害の側に立った生存者の証言で再構成した。
上映の合間には朝鮮人虐殺の現場を目撃した故文茂仙さんを母に持つ尹峰雪さんが証言。「母は、日本政府は事実を認め、謝罪してほしいといつも言っていた」と語った。文さんの目撃証言は03年の日弁連調査でも立証されている。
映画を見た元教員の参加者は「辛い。私個人に虐殺の責任はないが、歴史を否定する政権とヘイトスピーチ・ヘイトクライムを繰り返している日本人を許しているという責任はある。この国をなんとかしたい」と述べた。
呉監督はシリーズ3作目「2013ジェノサイド93年の沈黙」(仮題)を制作中。新作では呉監督が韓国国内で自ら探し出した遺族らの証言が盛り込まれる予定。この日、パイロット版が公開された。呉監督は「遅くとも来年までには完成させたい」という。