韓国政府は28日、「新型コロナウイルス予防接種計画」を発表し、来月から始まるワクチンの接種は感染者の治療にあたる医療従事者を最優先に行うと明らかにした。
ワクチンの接種は死者の発生を最小限に抑え、感染リスクの高い施設などを通じた市中感染を防ぐために行われる。政府は▼医療・防疫システムの維持▼重症化のリスク▼感染特性――などを考慮して接種の順序を決めた。
政府はまず、国立中央医療院(中央感染症専門病院)に設けた中央予防接種センターで首都圏の医療機関の従事者を中心に接種を行う。その後、各地域の拠点となる予防接種センターを天安、光州、釜山の3カ所に追加設置する。
1~3月に接種を受ける医療従事者は5万人程度になるとみられる。
接種されるワクチンの種類は公開されなかったが、ワクチンを共同購入する国際的な枠組み「COVAX(コバックス)」を通じて1~3月期から製薬大手の米ファイザーと英アストラゼネカの製品が供給されることから、これらのワクチンが接種される可能性が高い。
1~3月には療養型病院の入院患者と療養施設の入所者、従業員など78万人を対象にした接種も始まる。接種は各自が医療機関で受けるが、身体が不自由な療養施設の入所者には訪問接種を行う可能性もある。
3月中旬からは重症患者が多い総合病院などの医療機関の関係者と救急隊員、検疫官、疫学調査官など新型コロナの1次対応に当たる約44万人も接種を受ける。接種センターは各広域自治体に1カ所以上設置され、計21カ所となる見通しだ。
4~6月からは65歳以上の約850万人のほか、高齢者福祉施設や障害者施設など感染リスクの高い施設の入所者と関係者約90万人が接種を受ける。
また、医院や薬局などに勤務する医療従事者と薬剤師約38万人も4~6月から接種を受けることができる。
下半期からは全ての国民を対象に接種が始まり、7~9月には慢性疾患のある人と成人(19~64歳)、10~12月からは2回目の接種と未接種者が対象となる。
接種計画の日程は、新型コロナの感染拡大状況とワクチンの供給日程、供給量などに応じ、予防接種専門委員会の審議を経て修正される可能性もある。
政府はインフルエンザの流行期に備え、11月までに集団免疫を形成する計画で、この期間に国民の70%がワクチンの接種を受けるとみられる。
政府は来月1日から、新型コロナ予防接種情報サイト(http://ncv.kdca.go.kr)で関連情報を公開する。
【聯合ニュース】
記事原文
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20210128002200882?section=news