掲載日 : [21-01-29] 照会数 : 16293
京都国際高校が悲願の甲子園初出場…第93回センバツ高校野球
[ センバツ出場が決まりグラウンドに出て歓喜の京都国際高校野球部員(1月29日) ]
[ 1999年7月の夏の甲子園京都府大会予選初出場の京都国際高校(当時は京都韓国学校) ]
3月に甲子園球場で開幕するセンバツ高校野球の出場校32校が29日に発表され、京都国際高校が甲子園初出場することになった。1999年に創部以来、22年目にして夢が実現した。在日韓国人系民族学校の甲子園出場は初めてで、同校をはじめ各民族学校や民団と在日同胞社会では「快挙だ」と歓喜の声が挙がっている。
ことしで93回目を迎えるセンバツ高校野球の出場校を決める選考委員会がこの日午後に開かれ、選考委員会は、新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が出されている地域もあることから、初めてオンライン形式で行われた。
出場する32校のうち28校は、地区大会の成績などを参考にする「一般選考」で選ばれた。
このうち近畿は6校となっていて、昨年秋の近畿大会で優勝した奈良の智弁学園、準優勝の大阪桐蔭高校、4強に入った京都国際高校と市立和歌山高校が有力とされていた。
昨年のセンバツ高校野球は、新型コロナウイルスの影響で初めて中止となり、ことしは、政府の方針に沿った規模で観客を入れることを目指した上で、徹底した感染対策をとって開催する準備を進めている。
大会は、3月19日に甲子園球場で開幕し、2日間の休養日を含めて13日間の日程で行われる予定だ。
京都国際高校の硬式野球部は1999年に創部。当時、生徒が減少していくなか、なにか生徒たちが集まれるところをと考え野球部を創部した。当初、経験者は2人だけ。他の部員は遊びや草野球程度ぐらい。初の練習試合は0‐58の3回コールド負け。99年夏の京都大会初戦も強豪の京都成章に0‐34の5回コールド負けという大敗だった。しかし、当時の監督は特別な練習はせずに基本練習を大切にし、01年夏の京都大会初戦で念願の公式戦初勝利を収めた。
甲子園初出場でOBたちも喜びの声を隠せない。2003年夏の大会でベスト8に進んだときの主将で京都大会の選手宣誓を行った李良剛さん(35・会社員)もそのひとり。
「コロナ禍という暗いニュースばかりが続く中、後輩たちの快挙は僕らにも大きな元気を与えてくれ誇らしい限り。他のOBたちも喜んでいる。これを機会に野球部OB会の結成を考えており、甲子園でしっかり応援したい」と目を細めていた。