民団の2024年度前半期全国地方団長・中央傘下団体長会議が4月23日、韓国中央会館(民団中央本部)で開かれ、44地方本部の団長や傘下団体長らが出席した。2月の第56回定期中央大会で委任された中央本部人事や能登半島地震支援などに関する団務報告の後、6年ぶりになるオリニジャンボリー開催など今年度方針について共通認識を深めた。同胞社会の懸案事項になっている入管法改定案に対しては、同法案の是正を求めていくことを満場一致で決めた。翌24日は全国の事務局長を対象にした在日同胞社会地位向上セミナーが開催された。
金利中団長は「今日が新しい民団の第一歩だ。来年は韓日国交正常化60周年、2年後は民団創立80年を迎える。これからの民団を左右する重要な局面だが、新しい時代の民団をつくっていこう」と呼びかけた。
同胞社会の懸案になっている入管法改定案について、金団長は「在日だけでなく、日本に居住する全外国人の在留資格に関わる重要な人権問題だ。民団が中心になり、法案是正に向けて活動する」と強調した。
任泰洙議長も「この法案がこのまま通過すると永住権を取り消される恐れがある。民団の存立に関わる問題だ。ヘイトスピーチ規制法を勝ち取ってきた民団の運動経験をいかそう」と述べた上で「民団中央がなぜ分裂状態にあったのか、当時の規約運用の検証や過疎地方対策を含め規約を整理したい」と今後の方向性を示した。
金春植監察委員長は「3年間の混乱で塗炭の苦しみを経験した。今日は二度と同じ轍を踏まないための再生のスタートだ。新定住者を積極的に受け入れ、民団活性化の契機にしたい。入管法改定案はゆゆしき人権問題だ。民団は多くの差別を撤廃してきた実績がある。ピンチはチャンスという言葉もある。想像力を発揮し、難局を乗り越えよう」と訴えた。
金賢淑総領事は「民団の6大綱領はすばらしい。時代によっても同胞の価値観が変わるがどう実現させるか。同胞の声をよく聞き、同胞の益になるよう民団は同胞社会の求心点にならねばならない」と求めた。
呉公太常任顧問は「本国の経済発展に尽くした在日の歴史を教科書に載せようという動きも視野に入れ、民団の活動をアピールしよう。全国組織が一体化しないと何もできないことを自覚し、民団のために頑張ってほしい」と激励した。
今年3月に任期を終えた李順載(神奈川)、陳賢徳(栃木)、殷慶基(三重)、金政弘(京都)前職団長4人に金団長から感謝牌が手渡された。
団務示達では、次世代育成の柱になる第11回オリニジャンボリーを8月4日から3泊4日でソウル開催。小学5、6年生を対象に230人規模の開催を確認した。宮城県本部の李純午団長は「過去の参加者で学生会や青年会に関わっていない青年層を発掘し、彼らに運営を担わせ、青年会の活性化につなげるべきだ」と提案した。
入管法改定案については、鄭文吉事務総長が①東京江戸川支部(黄信一支団長)が4月20日に開いた第68回定期総会で「改定入管難民法に関する要望書」を提出、至急の対応を求めたこと ②22日に開かれた第1回中央執行委員会が同支部原案をもとに声明で民団の意思表示をはじめとした運動に取り組むことを決定した―とこの間の経緯を報告。「入管法改定案に関する声明文案」を提示し、満場一致で運動推進を確認した。声明文は4月30日に金利中団長名で発表された。
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