掲載日 : [20-10-28] 照会数 : 11310
コロナ禍でも絶やさぬ、地域密着型韓日交流…10月のマダン
[ 京都コリアフェスティバルで行なわれた朝鮮通信使「国書」交換儀式 ]
[ 満員となった三重の日韓交流文化まつり ]
[ 子どもたちの人気を集めた民団静岡本部「文化体験ゾーン」 ]
[ 来場者が行列をつくった韓国屋台ブース(佐賀) ]
[ 民団奈良の「韓日文化のマダン」 ]
新型コロナウイルスの関係で民団の各種イベントや行事が中止または延期が続いている中、民団創団記念日の10月3日に合わせた「10月のマダン」が各地方で開催された。民団中央ではこの間、各級組織に対し団員と同胞の健康と生命を最優先する立場から新型コロナウイルスの感染拡大防止対策を優先し、各種事業やイベント等を縮小、延期、中止等の措置を取っていた。しかし、日本政府の新たな指針に従って、12日付けの公文で「コロナ感染対策を十分に取りながら、民団活動を再開・推進」していくことを各地方本部と中央傘下団体に呼びかけた。各地方とも民団の秋の風物詩でもある「10月のマダン」を規模を縮小しながらも、感染防止策を考慮し、工夫を加えた企画で動き出した。
◆京都…コリアフェス、縮小でも盛り上がる
【京都】民団京都本部(金政弘団長)は25日、京都市内のホテルで「京都コリアフェスティバル」(実行委員長・孔信根副団長)を開催した。例年は、京都国際交流会館で4000人が賑わうほど盛大に行われていたが、今年は新型コロナウィルス感染拡大の影響で規模を縮小し、ハイライトでもある朝鮮通信使行列の再現も中止した。
民団、婦人会、地域住民、各関係者ら200人が参加し、来賓には呉泰奎駐大阪総領事はじめ丁南洙領事、李勲民団奈良本部団長、金和子婦人会京都本部会長、李龍勲京都韓国教育院院長のほか、京都日韓親善協会の二之湯智理事長や日韓親善京都府府議会議員連盟の渡辺邦子会長、日韓親善京都市会議員連盟の椋田隆知会長ら多数が参席した。
朝鮮通信使ゆかりの対馬市からも新宮保夫振興会会長ら4人が駆けつけた。
開会式で孔実行委員長は「コロナ禍で開催するかどうかを悩んだが、金団長の継続開催への強い意志に協議を重ね、開催を迎えた。朝鮮通信使行列の中止は残念だが、新しい形や方法で民団京都の力を結集し、有意義な一日にしよう」と呼びかけた。
二之湯理事長は「コロナ禍の影響で様々な部分で制限されているが、韓日関係において、市民の友好親善を深めることが大事」と開催を祝った。
ステージでは、結成10年を迎えた婦人会京都本部(金和子会長)のコーラス部が艶やかなチマ・チョゴリ姿で「アリラン」と「故郷の春」を披露し会場に華をそえた。
また京都韓国教育院のオリニテコンド演武やヒップホップダンス、白頭学院建国伝統芸術部の公演など多彩なプログラムで、会場は盛り上った。
朝鮮通信使行列の再現はなかったが、「国書」交換の儀式は実施。張祥一同本部監察委員長があいさつした後、呉総領事が「韓国ドラマ『愛の不時着』やK‐POPなど、老若男女の日本人が韓国文化に親しむなど、これまでと違った韓流ブームが韓日関係に大きく貢献すると確信している」と期待を寄せた。
正使役の金団長と京都所司代役の椋田会長が国書を交換し、両国の平和・友好・親善を誓い合った。
午後からは、昨年の朝鮮通信使再現行列の上映、「桂ちょうば」の落語やサックス演奏のほか、会場入り口にはヨーヨー釣りや輪投げ、韓国伝統遊戯コーナーも設けられた。会場内の韓日食の祭典では、チヂミやキムチ、キムパ、韓国もちのほか、そばやチャーハン、唐揚げなど、韓日グルメ屋台が並んだ。
地域に韓国文化発信…「10月マダン」 交流の輪拡大へ
◆三重…日韓交流まつり150人招待
【三重】民団三重本部(殷慶基団長)は14日、県総合文化センター小ホールで「日韓交流文化まつり」を初開催した。「運動会」がコロナ禍で中止に追い込まれたため、一般市民への地域感謝祭にかえた。会場は招待客150人で満席に。慶尚道出身のモングンこと金後鍾と地元津市出身の結城さおりによる演歌ショー、二胡演奏、K‐POPダンスなどを楽しんだ。
殷団長は「出演者もお客さんも久しぶりの舞台で大喜びだった。これからも地域住民のためのまつりを毎年やっていきたい」と語った。
◆静岡、韓国ゾーン開設…清水港興津フェア
【静岡】民団静岡本部(李宜弘団長)は「朝鮮通信使ウィーク」の最後を飾る18日、第20回「清水港興津フェア」(同実行委員会主催)に協賛、興津国際流通センター内に今年も「韓国ゾーン」を設けた。
同本部は「韓国ふれあい祭」として例年、8つのブースを展開してきたが、今年はコロナ対策のため4つに縮小。なかでも好みの仮面を選んで独自に彩色を施し、自分だけのオリジナル作品に仕立てる「文化体験コーナー」が子どもたちの人気を集めた。できあがると作品にハングルで名前を書いてもらい、笑顔で持ち帰った。
このほか、県内で韓国総菜を商う2人の団員はトッポッキ、キムパ、キムチなどの販売ブースを設け、来場者に本場の味をアピールした。
10日からの「朝鮮通信使ウィーク」期間中、朝鮮通信使が宿泊したことで知られる清水区の清見寺ではユネスコ記憶遺産登録物を収蔵した宝物館を特別公開した。
潮雲閣では朝鮮通信使について学ぶ講座が開かれ、白頭学院建国高校の学生5人が韓日友好の歴史を学んだ。生徒たちは「朝鮮通信使フィールドワーク静岡編」の一環として李鐘建校長の引率のもと大阪から参加。民団静岡のブースを訪れ、昼食をともにした。
◆奈良…韓日文化マダンで和太鼓と二胡コラボ
【奈良】民団奈良本部(李勲団長)は18日、奈良市内のホテルで「韓日文化のマダン」を開催した。李団長は「コロナの影響で行事が中止しているなか、今日の開催をうれしく思う。韓日友好の発展に向けて民間レベルの幅広い交流が重要」と述べた。
民団奈良本部チャング教室に通う生徒たちが日ごろの練習成果を披露。さらに伝統舞踊やソルチャング、安聖民さんのパンソリや五面太鼓と続いた。なかでも和太鼓と中国弦楽器の二胡とのコラボ演奏にはひときわ大きな拍手が送られた。
席上、婦人会中央本部第27期定期中央大会で新会長に選出された劉代永同本部常任顧問が紹介された。李団長は「全国の鏡的存在になることを願っている」と期待を寄せた。民団、婦人会、商工会からはお祝いの花束が贈られた。
駐大阪総領事館から呉東一副総領事、婦人会奈良本部の李鍾任会長、一社韓商奈良の李徳秀会長、県日韓親善協会の中西晃一副会長らも参席した。
◆鳥取…韓日市民祝祭に副知事が来賓参加
【鳥取】民団鳥取本部(黄龍也団長)は10日、倉吉公民館で韓日交流市民祝祭「シウォレマダン(10月の広場)」を開催した。コロナ対策のため簡素・簡略を期したが、参加者は当初見込んでいた65人を上回る80人以上が集まった。
「トゥルリム」のメンバーがサムルノリを演奏すると、婦人会米子支部のメンバーも体を揺らすなどノリノリ。さと原人さんは風船パフォーマンスで子どもたちを喜ばせた。食事は倉吉韓食(ハンシク)倶楽部のメンバーが調理した弁当をみんなで分け合った。
来賓として県から野川聡副知事が参席。薛幸夫同本部常任顧問が乾杯の音頭を取った。
◆佐賀…韓国屋台に行列…15回目しっかり定着
【佐賀】民団佐賀本部(朴弘正団長)は18日、佐賀市内の「ムツゴロー(656)」広場で開催した。
コロナ禍のなか、会場管理者からは200人以上の集客は不可との事前説明があったという。実行委員会では積極的な広報を控え、規模を縮小し、時間も短縮した。にもかかわらず、会場は想定してい以上の盛り上がりとなった。
舞台では韓国伝統芸能のサムルノリ、テコンド演武、KIDSダンスを披露。屋台ブースでは婦人会とスタッフが手づくりの特製チヂミ、トッポッキ、ホットク、ホルモン鍋を販売した。来場者は間隔を保ちながら行列をつくった。例年にぎわう韓服の試着は中止し、モデル4人による着付けの紹介にとどめた。日本人の友人を誘って来場した同胞の女子学生は最後まで開催できるのかどうか心配していたという。スタッフに「マダンをしてくれてありがとう」と声をかけていた。
去年まで一般客として参加していたある新定住者は今回、自らすすんでスタッフとして参加した。朴団長は「今年で15回目。マダンが地域に浸透・定着しているのを実感した。『人が集い、ふれあい、みんなで楽しむ』を合言葉に、韓日をつなぐイベントとして継続していく」と語った。
◆新潟…韓日外交テーマに新潟総領事が講演して韓日親善交流会
【新潟】民団新潟本部(鄭和仁団長)は14日、新潟市内のホテルで「韓日親善交流会」を開催した。鄭美愛駐新潟総領事が「新潟発・韓日外交」と題して講演。来賓として打越さく良参議院議員、片桐奈保美県日韓親善協会会長、佐藤豊美新潟市議会 議長ら多数が参席した。会場からは「コロナ禍のなか、心癒されるひとときとなった」との声が聞かれた。
◆長崎…バスツアー実施
【長崎】民団長崎本部(姜成春団長)は18日、佐世保市内のテーマパーク「ハウステンボス」への日帰りバスツアーを実施。団員のほかにも留学生や新定住者を含む72人が参加した。