掲載日 : [20-10-02] 照会数 : 12529
各地民団、敬老会開催判断に悩む…記念品で代替、一部は家庭訪問も
[ 感染対策を徹底化して開催した岐阜本部の敬老会 ]
[ 例年より規模を縮小して開催した三重本部 ]
[ 東京渋谷支部では役員会の席で高支団長自ら敬老祝賀金を伝達した ]
[ 京都本部金政弘団長(左) ]
新型コロナウイルスは民団の主要行事である敬老会にも影響を及ぼしている。9月中に集会行事を開催した本部は岐阜、三重、佐賀、熊本などごく一部にとどまった。多くが中止、ないしは家庭訪問や郵送でお祝いの品を届けた。このほか、開催するかどうかの判断を先延ばししている本部も一部にあり、感染対策とのはざまでぎりぎりの判断を迫られている。
◆感染対策を徹底し敬老会
岐阜本部(董勝正団長)は9月24日、同韓国会館に80歳以上のお年寄りを招待し、米を5㌔ずつ配った。対象者21人のうち16人が参加。近隣の韓国料理店から取り寄せた特製弁当で食事をともにした。董団長は「うちの会館は広いから、密にはならなかった」と振り返った。
三重本部(殷慶基団長)は9月21日、三重郡菰野町のホテルで開催。感染症対策を徹底し、例年より規模を縮小した。それでも桑名、四日市、津、鈴鹿の各支部から約50人が参加した。殷団長は「コロナの影響で迷ったが、なにもないのはさびしい」と継続事業とした理由を語った。
佐賀本部(朴弘正団長)は「コロナ禍のいまだからこそ」と9月16日、県内で「健康セミナー」を開催した。75歳以上とその家族合わせて17人を招いてAED、マッサージなどの講習を行った。
熊本本部(金泰汶団長)は70歳以上を対象に9月19日から1泊の宿泊行事を行った。
山口本部(林源玉団長)は唯一、下関支部が9月26日に開催した。対象は70歳以上とした。大阪本部(呉龍浩団長)は八尾、堺など7支部ですでに実施、ないしは準備中。
このほか、栃木、宮城、奈良、和歌山、長崎などは10月以降に開催の方向で準備を進めている。
◆対面で安否確認
京都本部(金政弘団長)は「こういう時代なので」と、今年は恒例の「記念食事会」を見送った。かわりに、75歳以上の団員634人に管轄支部から石鹸、ジュース、お米などを満載した記念品を郵送、ないしは支団長自らが家庭訪問して手渡した。特に88歳の団員18人には9月23~25日の3日間かけて金団長自ら家庭訪問し、「米寿お祝い」の高級寝具を手渡した。
福岡本部(李相鎬団長)は管内の主な支部でお米、消毒液、餅、果物などを持って家庭訪問している。この家庭訪問には安否確認の意味も含まれているという。岡山本部(金成植団長)も各支部役員が70歳以上の対象者宅を回った。
静岡本部(李宜弘団長)は「気持ちを伝えたい」と75歳以上の団員家庭を訪問し、韓国食品を中心とする「長寿祝い品」を配った。
長野本部(金龍洙団長)も75歳以上に韓国食品を届けた。対象は175人と数が多い。基本は郵送だが、節目の米寿(88歳)を迎えた5人に対しては家庭訪問した。
岩手本部(申百澈団長)は敬老会の開催を見送り、75歳以上の家庭に果物を郵送した。なかでも80歳(傘寿)、88歳(米寿)、90歳(卒寿)の節目の年を迎えたお年寄りに対しては特別の気持ちを込めたという。
滋賀本部(金東凡団長)は9月22日の「敬老の日」に合わせ、65歳以の家庭200世帯に「高齢者がなかなか買ってそろえておけない」防災グッズの基本セットを贈った。同本部は例年、1泊2日の日程で「敬老セミナー」を実施してきた。
このほか、四国管内各本部でも韓国雑貨などのお祝い品を自宅に郵送した。
◆敬老会は中止し祝賀金を伝達…民団東京・渋谷支部
民団東京・渋谷支部(高三連支団長)は9月12日、区内のホテルで開催した同支部「拡大任員会議」に高齢の団員を招いた。会議終了後、高支団長自ら敬老祝賀金を伝達した。対象者は13人だった。敬老会そのものは中止とした。
このうち、金静子さん(85)と本郷惠美子さん(87)の2人には婦人会東京本部(李正子会長)からも長寿を祝うお米券と手作りカステラ、マスクが贈られた。同本部は各支部の敬老行事に参加している。