文大統領は「われわれは平和を望む」と述べる一方で、いかなる挑発も容認しない国防力を保有している点を強調。北韓が武力行使をちらつかせる中、軍事的挑発に踏み切る場合、強力に対応するとの意向を改めて示した。韓半島で2度と戦争が起こらないよう堅固な防衛態勢を取るとの意志の表れと受け止められる。
一方で文大統領は「戦争に反対する」と述べながら、南北間の体制間競争は遠い昔に終わっており、韓国の体制を北朝鮮に強要するつもりはないと断言した。
その上で、南北は平和を通じて共生の道を模索しなければならず、統一の前にまずは仲の良い隣人になりたいと呼びかけた。
政府が開催する韓国戦争の同式典に文大統領が参加するのは今回が初めて。青瓦台は「国のために犠牲になった方には国が最後まで責任を負うという意思が行事に反映された」と説明した。
式典の会場には韓国戦争で戦死し、北韓で見つかった韓国軍兵士の遺骨147柱も安置された。
遺骨147柱は24日に米ハワイを経て約70年ぶりに韓国に戻った。1990年代に北韓で発見された後に米国に送られ、ハワイの米国防総省捕虜・行方不明者調査局(DPAA)で保管されていた。DPAAは紛争地での遺骨収容を専門とする機関で、今回返還された遺骨は同機関と韓国との共同調査により韓国軍戦死者のものと判定され、さらにこのうち7柱は韓国戦争中に起きた激戦「長津湖の戦い」の犠牲者であることが分かった。
式典ではトランプ米大統領など韓国戦争に参戦した国の首脳らによる映像メッセージが上映された。
今年、韓国政府は高齢の出席者の体調を考慮し、初めて暑さの収まる日没後に式を開始した。
【聯合ニュース】
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