掲載日 : [20-07-28] 照会数 : 12000
「7月豪雨」同胞宅の浸水被害相次ぐ…民団が被災者支援
[ 孫鐘煕さんが営む旅館の前にたまった泥水を民団熊本のメンバーらが取り除く ]
[ 李良子さんが経営する焼き肉店は激しい浸水で倒壊した ]
7月3日以降、熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で発生した集中豪雨である「令和2年7月豪雨」によって、熊本や福岡などの九州地区と岐阜県の同胞宅や店舗、事務所などで浸水被害が出ている。
民団中央本部生活局の調べによると、27日現在、熊本、福岡、岐阜で合わせて22件が報告されている。
民団熊本本部(金泰汶団長)の報告では人吉地域で浸水が11件確認されている。このうち、屋根までの全体浸水が4件、3分2浸水が5件、床上浸水が2件出ている。
孫鐘煕さんが営む旅館は2階部分まで浸水し、営業ができない状態だ。「完全改修するまでに1年はかかりますね」と肩を落としている。
また、李良子さんが経営する焼き肉店は3分2まで浸水し、呉俊一さんが経営する焼き肉店も全体浸水の被害を受け、いずれも営業ができない状態だ。
崔相哲事務局長によると豪雨の当初、団員宅に電話がつながらず、被災現場にも行けない状況だった。そのご携帯電話やSNSを活用して安否を確認したが、被害が出た団員の自宅は、いずれも豪雨当初、避難所生活を送っていたが、現在は自宅に戻り2階の部屋などで何とか生活しているという。
福岡本部(李相鎬団長)では大牟田支部の団員宅(賃貸含む)8件で床下および床上浸水の被害が出ている。大牟田支部では禹判根支団長宅や鄭東秀監察委員長などの自宅が浸水した。
娘と賃貸住宅に住む李正子さん(81歳)宅は完全に水没し、自衛隊に救助された。今も市民会館に避難生活中だ。借りていた部屋は完全に水没し、居住が不可能になったことで家主から退去を要請されいる。
鄭在柳事務局長によると、本部役員らは豪雨後、2度ほど被災地を訪れ、団員宅や避難所の団員を見舞い、飲料水、マスクなどを配布した。避難所で生活をしている李正子さんにはマットレスも届けた。
岐阜本部(董勝正団長)では董団長の自宅が天井壁に被害が出て、雨漏り状態となった。下呂市の団員が営む会社の事務所は泥水氾濫による床上浸水で家財道具が水に浸かった。また、民団本部会館も雨漏りにより、3階の会議室が水浸しとなり使用不能となった。
民団中央本部では豪雨で同胞の被害をまとめた後、見舞金を伝達する予定だ。