掲載日 : [20-09-04] 照会数 : 11966
「やっと戻って来た」8カ月ぶりに里帰り…本国で事業営む在日3世
[ 成田空港のPCR検査を受け、結果を待つ金さんとその家族(2日) ]
[ PCR検査後に発行された「陰性証明」 ]
日本政府が1日から特別永住者以外の在留資格を持つ外国人の再入国を全面的に解禁したことで、韓国に滞在していた同胞らもようやく日本に帰ってきた。
韓国ソウルでフォト・ウェディング社「アジェリーナ」を営む、在日3世の金宗洙さん(43歳)は約8カ月ぶりとなる2日に家族4人で日本に戻ってきた。
元在日韓国青年会中央本部会長を歴任した金さんは韓国留学中に知り合った奥さんと結婚し、子ども2人を持つ。子は特別永住者で、奥さんはいわゆる「特別永住者の配偶者等」。
このため、金さんと2人の子は①再入国予定の申出②受理書の受領③PCR検査陰性証明の取得が必要なかったが、奥さんだけは事前にソウルの駐韓日本大使館で再入国確認書を発給してもらい、出国前72時間以内にPCR検査を受けて韓国を出国した。
成田空港に到着後、入国審査前に全員がPCR検査を受けた。1時間ほど待機した後、陰性の結果が出たことで、入国審査を通過した。再入国後、14日間の自己検疫と公共交通機関の利用が不可となっているため、空港には金さんの母が自家用車で出迎え、無事、船橋市の実家に到着した。
金さんは本来、長男が小学校に入学する準備を兼ねて来年2月に帰日する予定だった。営むフォト・ウェディングの顧客の大半は海外からの観光客。コロナ禍によって3月9日以降、韓日双方で2週間の隔離、観光ビザの免除が剥奪となり、事実上の鎖国状態となったため、この間の売上げはゼロに近い。
金さんは「妻の在留資格更新も迫り、経済状況の見通しがまったく見えないこともあり、もはやこのタイミングかなと思った」と家族たちの完全帰日を決心したという。
しばらく日本に滞在し、新たな経済活動を展開する予定だ。