掲載日 : [20-04-24] 照会数 : 13133
着々と進む「書面決議」地方委・大会・総会…大半が今月中に
[ 書面決議を採択する東京本部3機関役員(4月21日) ]
コロナ禍収束願う…原案可決だが方針遂行に不透明感も
2020年民団地方委員会・大会・総会が「書面決議」となり、各地方本部は対応を急いでいる。民団中央本部の示達以前に総会を終えた鳥取、沖縄、21日に書面で決議を終えた東京を除く全国46地方本部のうち、大半が今月末までに「書面決議書」の確認を終える方針。原案の可決が5月までずれ込むのはごく一部の地方本部にとどまる見通し。支部の総会・大会も本部にならう。
書面決議で定期委員会代替…東京本部 活動方針採択
民団東京本部(李壽源団長)は21日、第60回定期地方委員会を書面決議で開催に代えた。これは、新型コロナウイルスの感染症拡大を防ぐために、民団中央本部が全国に示達した特例措置に基づく。この日、東京・港区の韓国中央会館に3機関役員だけが出席して(写真)、返送された書面の確認作業を行った。
書面決議書によれば、2019年度活動報告案と決算案、2020年度活動方針案・予算案など6つの原案についていずれも「賛成する」ないしは「議長に委任する」としており、可決した。「反対する」は皆無だった。地方委員126人中、117人が回答。回答率は9割を超えた。呉永錫議長がこの結果を報告、立ち会いの3機関役員が拍手で確認した。
採択された活動方針は①在日同胞社会の和合と団結に向けた戸別訪問の継続と各種研修会②韓日友好交流事業の積極推進など。光復節記念行事は予定どおり8月15日、都内で開催を予定。来年の東京五輪・パラリンピックへの尽力も含めた。
人事補選では高隆博氏(新宿支部支団長)が新たに執行委員に加わり、渋谷支部の総有財産購入に関する原案も可決した。
この日の会議は簡略化した進行により約15分で終了した。同本部は7日、各地方委員に書面決議書を送付。提出期限を20日としていた。
大阪本部(呉龍浩団長)は22日、地方委員153人に書面決議書を郵送した。30日までの返信を想定している。主な活動方針として本部会館の隣接地800坪を利用しての保育所開設を掲げた。
2019年度活動報告(議決・執行・監察)と20年度活動方針案・予算案に対しては過半数の77人が「賛成」、ないし「議長に委任する」となれば可決する。朴鍾寛事務局長は「いまはコロナ騒ぎの非常時。民団大阪の地方委員が一致団結、ワンチームとなって成立させてほしい」と期待している。
兵庫本部(李圭燮団長)は9日、同本部執行委員会(3機関連席)であらかじめすべての議案を承認。13日に執行委員会議事録、地方委員会冊子、承認質疑などを添えて各地方委員あてに郵送した。各地方委員からの返信期限は31日までとした。
栃木本部(崔龍治団長)は今年が大会。あらかじめ21日に選考委員会を開き、現3機関長の留任を決めた。書面決議書は21日現在、在籍地方委員27人のうち20人から「賛成」ないしは「議長に一任」の返信があり、可決した。
神奈川本部(李順載団長)は新型コロナの影響で関係資料の作成が遅れたという。同本部執行委員会で最終確認のうえ、5月の連休明けには書面決議を終える方針。活動方針案によれば、現執行部最後の年だけに幹部研修に力を入れている。
総会制をとっている各地方本部では団員の20%が書面決議書を承認すれば可決する。
岩手本部(申百澈団長)には「賛成」ないしは「議長に委任」をマルで囲んだ書面決議書が続々届いており、すでに可決に必要な数を満たしているという。
実務者を悩ましているのがコロナ禍で先行きの見通しが立たず、方針遂行の見通しが不透明なこと。
西東京本部(全實団長)はコロナ禍が大きくならないときに方針を立案した。「方針はあっても、いまは身動き取れない」。
三重本部(殷慶基団長)も「すべての行事は新型コロナが収束するかどうかの様子見」と声を落とした。
長野本部(金龍洙団長)の活動方針案を見ると次世代育成や敬老会行事にも意欲を示していることがわかる。金美恵子事務局長は「団長が子どもたちを大阪のコリアンタウンに連れていこうという。いいことだし、実現させたいのだけれど」と言葉を濁した。
群馬本部(権在一団長)は渡来人ゆかりの多胡碑が建つ吉井町で5月に開催される「どろんこまつり」への初参加を決めていた。中止を知った職員は「民団の顔が見える活動をしようと役員が意気込んでいた時だけに」とがっかりした表情。
愛媛本部(朴鐘東団長)は「愛媛は高齢者が多いので、民団が事業をすることで万一にも感染症を広めるような状況は絶対あってはならない」と話す。
茨城本部(金桂一団長)も「人なしで民団はできないし、まずは人間が集まることからすべてが始まる。とにかくコロナ禍が収束することを願っている。団員の健康があっての民団なのだから」と話していた。
(2020.04.24 民団新聞)