掲載日 : [20-05-13] 照会数 : 14217
コロナ禍から団員の生活守る…民団地方委・総会、書面決議で方針化
[ 宮城では3機関役員によって書面決議を確認した ]
新型コロナウイルスの収束が見通せないなか、各地方本部の一部では、「経済危機から同胞の生活を守りたい」と、相談窓口の開設を打ち出している。地方委員会と総会の書面決議で採択された活動方針は次のとおり。
◆地方委員会
千葉(高炳佑団長、第59回=5月1日) 在籍地方委員32人のうち22人から返信。2019年度活動報告・決算、20年度活動方針案・予算案を原案どおり書面決議した。空席の副団長職に朴英浩氏(東葛支部支団長)が就任する案も賛成多数で承認された。報告書に対する質問は特になかった。
茨城(金桂一団長、第57回=4月27日) 在籍地方委員25人数中、22人の賛成で各原案を可決。主な活動方針は韓日青年の集まり、「日韓交流まつりinいばらき」など。
西東京(全實団長、第68回=4月17日) 地方委員17人中15人から返信があった。原案はいずれも賛成多数で承認された。活動方針は国立ハンセン病療養所多磨全生園慰問、歳末相互扶助活動、「日韓親善ふれあいコンサート」など。新型コロナウイルス収束を待ってオリニサマーキャンプの開催を予定している。
静岡(李宜弘団長、第65回=4月24日) 在籍19人中17人の賛成(無効2人)で原案を可決した。主な活動方針は①「民団生活相談センター静岡」の充実化②自然災害発生に備えた緊急連絡網・危機管理マニュアルの整備③韓日友好親善へ「朝鮮通信使」啓発事業④地域に開かれた民団をめざし「韓日文化交流センター静岡(仮)」の設立準備委員会立ち上げ。まずはコロナ禍の収束を待って「朝鮮通信使ゆかりの地ウォーキング」を計画している。同事業は静岡市から委託を受けた。企画と運営は同本部が担う。
相談事業開始へ
長野(金龍洙団長、第72回=4月24日) 民団生活相談センターながのでは新定住者や個人事業主を主な対象に「新型コロナウイルス感染症拡大による相談事業」を開始する。各種給付金の申請に対して税理士、労務士、弁護士が相談に応じる。7日の緊急3機関長・副団長会議で決まった。書面決議は在籍地方委員24人中15人が賛成した。
新潟(鄭和仁団長、第56回=4月20日) 「韓日親善交流会」の開催で共生社会づくりに貢献していく。各原案は在籍地方委員19人全員の「賛成」で可決した。
宮城(金政郁団長、第64回=5月8日) 在籍地方委員50人中、49人の「賛成」で可決。活動方針の柱は①次世代育成②敬老会③韓日関係増進。新型コロナの収束を待って戸別訪問を再開していく。支部活動の停滞している石巻地区と本部会館の2カ所に同胞の集まれる場を設けていきたいとしている。
北海道(李圭亮団長、第59回=4月28日) 在籍地方委員26人中23人から「賛成」の返信があり、原案を承認した。反対は1人だけだった。新型コロナの収束は見通せないなか、次世代育成のためのオリニキャンプの開催を準備している。
愛知(朴茂安団長、第68回=5月7日) 在籍地方委員89人中有効回答が79人を数えた。原案は「賛成」「議長に委任」が大多数を占め、可決した。反対は方針案と予算案に各2人。趙鐵男事務局長は「コロナ後に訪れる経済危機から同胞の生活を守りたい。そのために民団はなにができるのか。全国と連携しながら取り組んでいきたい」と抱負を述べた。
電話で悩み聞く
岐阜(董勝正団長、第76回=5月7日) 新型コロナウイルスの影響を受け、仕事や学業などで悩んでいる団員を対象に電話相談窓口を開設し、相談やサポートにあたることを活動方針案として掲げた。そのほかの原案と併せ可決した。賛成17人(在籍地方委員33人)。林佑澤事務局長は「コロナウイルスが収束し、団員のみなさんに笑顔が戻るのを願う」とコメントした。
大阪(呉龍浩団長、第67回=4月30日) 在籍地方委員153人中108人の有効回答があり、原案はいずれも承認された。朴鍾寛事務局長は、「新型コロナウイルスの感染は長引くとみており、今後は同胞の皆様への給付金申請などのサポートができるようプロジェクトチームを発足させる準備を進めている」と語った。
兵庫(李圭燮団長、第62回=3月31日) 書面決議に先だって3月9日、在籍地方委員93人中14人が出席して第9回執行委員会を開き、活発な質疑を経て原案を承認。決議にはこのほかの地方委員42人からも賛成する旨の返信が届いた。
奈良(李勲団長、第65回=4月24日) 在籍地方委員25人のうち21人の「賛成」で原案を可決した(無効4人)。9月に韓日文化交流事業を企画している。
滋賀(金東凡団長、第61回=5月1日) 在籍地方委員23人中18人から現案に「賛成」の返信があった。「反対」はゼロ。新型コロナウイルスの収束を見込み、6月から「ハングル講座」の再開を見込んでいる。このほか、10月マダン運動会、高齢者健康セミナーの開催など。
和歌山(孫文敏団長、第58回=4月28日) 在籍地方委員23人中21人が原案に「賛成」、無効は2人だった。新型コロナの影響を受けた団員に「いま、なにが必要なのか」、民団としてできることを調査していく。延期している韓国語講座の開講、韓国との交流事業も進めていく。
岡山(金成植団長、第59回=4月22日) 在籍地方委員44人中25人の賛成で原案を可決した。反対はゼロだった。活動方針ではコロナの収束を前提に民団役員宅を戸別訪問し、組織固めを急ぐことにした。金學事務局長は「民団財政を支えている遊技業界からの支援は激減し、経済的に疲弊している。民団にとって今年は厳しい1年になる。機関誌の発行を増やして団員と結びつきたい」と語った。
広島(李英俊団長、第61回=4月21日) 新型コロナウイルスで心身とも疲弊した団員のために「10月マダン」を開催し、同胞和合の場とする。このほか、「みんだん生活相談センター」を利用してのセミナー、オリニ土曜学校での歴史学習など。「広島県韓国奨学会」(沈勝義理事長)は団員子弟とその孫にあたる大学生(日本国籍含む)を対象とした奨学金受付を6月末日まで延期した。ほかの原案と併せ地方委員42人中、38人が「賛成」した。無効4人。
福岡(李相鎬団長、第65回=4月27日) 在籍地方委員58人中有効回答は56人。反対はゼロ(決算と予算案に保留各1人)だった。コロナ禍の収束を待って釜山・福岡でのオリニ交流事業の再開を急ぐ。今年の光復節記念式典は支部単位ではなく本部主催となる。このほか高齢団員への戸別訪問など予定している。
◆地方総会
山梨(李正炯団長、第26回=5月8日) 団員101世帯のうち62人から「賛成」の回答が寄せられ、原案どおり可決した。コロナ禍が落ち着けば戸別訪問を再開し、生活に苦しむ団員への手厚い支援を模索していく。事業主には日本政府の給付金や緊急財政支援制度などに関する情報を届けていく。このほか「山梨コリア祭」の開催、収益事業たる保険代理店業務の充実など。
群馬(権在一団長、第4回=4月29日) 団員52世帯中、16人から有効回答が届いた。原案のいずれも反対はゼロだった。今年度は団員の目に見える活動をしていくことをめざし、戸別訪問や新たな行事を増やしていく。
岩手(申百澈団長、第26回=4月10日) 主な活動方針は県日韓協創立10周年記念訪韓団、戸別訪問、同胞無縁仏慰霊事業など。各原案は団員26人の賛成多数で可決した。反対、無効ともなかった。
秋田(呉尚俊団長、第26回=4月20日) 団員世帯の20%以上から「賛成」の返信があり、原案を可決した。コロナ禍が収束したら「みんだん生活相談センター」の設立をめざす。
佐賀(朴弘正団長、第2回=4月29日) 団員22人から「賛成」の返信があり、すべて原案どおり可決した。3機関長と役員9人が立ち会った。採択された活動方針にのっとり、昨年の佐賀大水害で一部損壊した会館の補修事業やオリニ事業に乗り出す。朴団長は「新型コロナウイルスの感染状況をよく判断して団員・同胞の健康を第一に推進していく」と述べた。