民団東京本部(李壽源団長)は5日、近現代の日本史を研究、調査し、著述活動を続けている著名なノンフィクション作家、保阪正康氏を講師に迎え、「在日同胞社会リーダーフォーラム」を開催した。会場の足柄下郡箱根町のホテルには同本部管内の組織幹部160人が参加した。
講演テーマは「韓国と日本の近代史を見つめる~個人的体験を踏まえての考察」。講演冒頭では資料や文書をもとに分析するにとどまらず、様々な人に会ってその体験を聞くことで「歴史をきちんと正確に見る姿勢を貫いている」と自らの立ち位置を鮮明にした。そのうえで、関東大震災時の朝鮮人虐殺に言及し、松野博一官房長官の「政府内において事実関係を把握することのできる記録が見当たらない」とする発言について「資料に対するずさんな考え方の姿勢にあるのは何か。そういう事実がないと言いたいのか。隠すことは歴史的な犯罪」と批判した。
また、嫌韓・嫌中のヘイトスピーチについては「グローバルな認識を持ち、真ん中のベクトルを強くすることで駆逐していく力にしていきたい。それには民間レベルの友好が大事」と強調した。