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中国が北韓の真の血盟ならば…
トン・ヨンスン(三星経済研究所研究専門委員)
中国が真に北韓の血盟なのか疑わしい。その間、中国は北韓の無謀な行動に対しても抱きしめることだけに汲々としてきた。昨年、その代表的な例が、天安艦爆沈および延坪島砲撃事件が発生したにもかかわらず、中国は北韓をかばって回った。また、北韓が高濃縮ウラニウム・プログラムが実際に稼動している現場を米国の核専門家たちに公開したにもかかわらず、中国はこの問題を国連安保理で論議すること自体を拒否した。 関連国の専門家が集まり、北核問題の深刻性を指摘し、これを国際社会で論議すべきとの主張を正面で反対し始めたのだ。さらに北韓が中国の遼寧省に隣接する東倉里地域にミサイル発射基地を作っても、あたかも何もないように北韓の庇護に余念がない。中国が真の血盟ならば、北韓の挑発的行為、国際社会への背信行為に対し、手厳しく対応すべきであるにもかかわらず、北韓の誤った行動までかばうことは血盟関係以外に、他の下心があると疑いたくなる大きな課題だ。 2010年12月6日、戴秉国中国国務委員が「平和的発展（和平発展）路線を堅持しよう」という論文を中国外交部のホームページに掲載した。戴秉国の論文の核心は「中国は相変わらすず開発途上国として対内的和解と発展、対外的平和と協力を追求し、責任大国として領域の主要論点、国際ガバナンス、発展イシューを囲む議事日程に積極的に参加・対応するもの」であることを強調したものだ。 戴委員の論文は、2008年世界金融危機以後、中国が攻勢的(aggressive)な「力の外交」を駆使する視点から出たもので、世間の注目を集めるのに充分だった。当時の中国は換率および貿易・通商の葛藤、南中国海の問題、北韓の挑発に対する攻防など、対外関係に神経過敏な強硬態度で一貫してきた。さらに、��小平の静かに力を蓄積しようとした戦略から脱皮し、大国として立ち上がるべきとの主張を受け入れたものだった。そのため戴委員の論文は、中国指導部がこのような論争の整理作業を進めており、内部的に戦略家および中間官僚たちの強硬の声を制御し、外交基調を再整理する意味を持ったと見ることが出来る。 このような内部的な整地作業の後、中国は1月に美国との首脳頂上会談を推進し、地域懸案に対する対米協力基調を表明した。戦略的な競争者のイメージを脱皮し「パートナー国家」としての相互利益尊重を土台に「肯定的・協力的・包括的な関係構築」に共感した。特に中国外交を最も困惑させた韓半島状況に対し、追加的な緊張高潮防止のため「適切な管理」の必要性に共感して出た。 最近、中国共産党宣伝部の介入で、言論媒体でも「力の外交」に対する自省論を広める傾向だ。党機関紙である人民日報(2.8)は「大きな外交」(大外交)を標榜し、対周辺外交の重要性、「韜光養晦」（とうこうようかい＝能在る鷹は爪隠すの意味）路線の堅持などを主張した。反面、国力および国際的地位変化に相応する「大国のふるまい」を前に出した「新ネオコン」たちの主張は、言論媒体から姿を隠し、対外強硬論調の環球時報も戴秉国の論文趣旨に積極的に呼応する様相だ。 それならば、中国の対外政策が本当に変化の方向に向かって行きつつあるのだろうか。韓半島問題でも正常な判断をするのだろうか。これから北韓に対し真の血盟の姿を見せ、誤った点を手厳しく指摘するのだろうか。しかしこのような質問に対し、容易に肯定的な答えを出すことは難しい。その理由は最近、北韓−中国間に広がっている一連の出来事のためだ。北韓は国際社会から制裁を受け孤立が深化している。 これにより北韓の中国に対する依存度は、一層高まっている。2010年北韓の対中国貿易の依存度は80%以上で、大部分を中国に依存していると言っても過言ではない。ついに北韓は、地下資源をそのまま中国に売っている。北韓は地下資源を少しでも加工すれば付加価値が高まると感じていた。しかし最近では、付加価値が高い地下資源、例をあげれば希土類、鉄鉱石などを中国に安値で売り払っている。 中国が。国際社会の制裁により北韓の対中国依存度が高まっている状況を、適切に活用したものだとしか見れない。これが中国が韓半島で見える二つの顔だ。客観的な観点から中国は北韓に影響力を行使できるかわからないが、自国の利益のために国際社会の共同の利益とは違う方向に影響力を行使しているのだ。これが中国が眺める北韓問題の解決策だとすれば中国はG2であることを放棄しなければならないだろう。 地域覇権と利益にだけ目を向ける国家に対して、グローバル・リーダー国家だと言えるだろうか。中国が北韓の血盟であり、真のG2国家として位置づけるためには、北韓問題に対し果敢な決断をしなければならない。中国は北韓の誤った行動に対し叱責できねばならず、北韓が資源を相応の価格で売り、経済発展に利用できるように助けるべきだろう。それが血盟の役割であり、責任大国を叫ぶG2としての面目を見せてくれるものだ。
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