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李明博大統領のロシア、フランス歴訪の成果と意味
ソ・ジンギョ（対外経済政策研究院・研究委員）
李明博大統領が、ロシアとフランスのカンヌで開かれたG20首脳会議の出席を終え、11月5日に帰国した。李大統領は、ロシアのサンクトペテルブルク訪問ではメドベージェフ大統領と首脳会談を行い、両国の実質的協力を強化することに合意した。続いてフランスのカンヌG20首脳会議に出席し、世界経済危機の克服のための汎国家次元の対策を議論し、開発途上国支援と自由貿易の促進を各国首脳に促した。 これだけを見れば、今回の李明博大統領の訪問は、通常の外遊と大差はない。しかし、今回の訪問は、次の点で表面上では見えにくい２つの大きな意味を持っている。 まず、これまで進展がなかった南・北・露ガス管連結事業に弾みがつくことだ。最近、北東アジア地域での影響力が徐々に萎縮しているロシアと天安艦、延坪島事件以後期待していなかった中国の援助によって、韓国の支援と経済協力が切実な北韓状況を考慮すると、南ㆍ北・露ガス管連結事業が北東アジア地域で持つ外交安保的な意味が非常に大きい。ロシアは今回の事業を通じて、北東アジアでの影響力を増大させ、中国を牽制することができる。 経済的にも発展が相対的に遅れている極東地域の開発はもちろん、韓国との長期供給契約により安定的な外貨収入源を確保できるようになる。韓国市場の後に、中国と日本市場への進出も可能となり、ロシアとしては決して見逃せないチャンスだ。 世界2位のLNG(液化天然ガス)輸入国である韓国としても利益だ。もちろん、ロシアのガス供給価格と、北韓の通過手数料などが具体化されてから分かるが、一端、遠く中東からタンカーでLNGを積んでくる場合と、至近距離のロシア極東から陸路でガスを運ぶことは、輸送費の面でも後者の方が絶対的に有利だ。 ロシアを中継して南北関係の新たな突破口が開かれるという側面でも無視できない。北韓もこの事業では、通過料という経済的実益とともに、この間、中国に過度に依存していた状況をある程度解消できる。この点で韓国とロシアの両首脳は、北韓を通過するガス管を通じて、ロシアの天然ガス導入事業が成功すれば、南ㆍ北・露にとって経済的利益となることに共感し、同事業実現へ緊密に協力することになった。 一方、G20首脳会議に出席し、世界的経済危機の3つのカードを提示することで、世界経済の舞台でも、韓国の地位を再確認させたことも欠かせない成果である。欧州発の財政危機が大衆的な人気とりだけで放漫な財政運用によって発生したことを指摘し、これらの国々に骨身を削る構造調整を発注したうえで、国際舞台で変身した韓国の地位を確認することができる。 はたして私たちが過去、どの欧州先進国の経済を批判したことがあろうか。また、リスクであればあるほど、保護貿易主義に安住するより、自由貿易を拡大し、経済の好循環を造りだし、開発途上国の自活力を育てるためには、先進国がより積極的に発展途上国支援に乗り出すべきだと強調した点が、参加国首脳から大きな共感を得て、合意文に反映される結果を生んだ。 10月の米国国賓訪問が外形的に明らかになった多元的な同盟関係の樹立という特徴を持っているとすれば、今回のロシア・フランス訪問は、表に現れない中、北東アジア地域の均衡と経済的利益を追求する一方、国際舞台で韓国の存在感を密かに明らかにした、内面的特徴を持っている。
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