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<特別講演会>5・17事態から5年…来年の2大選挙へ動向注視を

朴斗鎮氏「連携強める従北勢力」
民団掌握にも執着…対南工作強化の一環として

dh_lee 朴斗鎮(パク・トゥジン=コリア国際研究所所長) 1941年大阪市生まれ。朝鮮大学卒。元朝鮮大学政治経済学部教授。『朝鮮総連‐その虚像と実像』(中公新書ラクレ)など著書、論考多数。日本各メディアでコメンテーターも。

 「5・17民団・総連共同声明」が発表されたとき私は、「とうとう来たか」「在日社会が金正日独裁に支配されるかも知れない」という危機感を強く覚えた。

 2000年の「6・15南北共同宣言」以降、「民族同士」が韓国と在日社会で連呼され、「統一幻想」が振りまかれるなか、同年9月から民団の頭越しに総連幹部の韓国訪問が実施され、国内の北韓追従勢力(以下、従北勢力)と連携を深めていた。民団に、総連と「和合」するよう執拗な圧力がかかり始めた。

◆今だくすぶる再発の可能性

 民団と総連は91年の世界卓球選手権千葉大会で南北統一チームの共同応援をするなど、いくつかの「和解」イベントはあったものの、いずれもお互いの存在を侵さない一過性のもので、5・17事態はそれとは根本的に異なる。事態は民団の自律的な力によって短時日内に収拾され、最悪の結果は避けられた。だが、再発の可能性はなくなっていない。事態は「太陽政策」を震源としており、その条件が完全に克服されていないからだ。

 韓国では「6・15共同宣言」と「10・4南北首脳宣言」(07年)の流れが遮断されていない。90年代半ばの北韓の危機状況を見て、386世代の主体思想派は挫折し、一部は対北民主化運動に方向転換したが、一部は太陽政策に自己救済の場を見つけ、政権中枢に入り込んだ。

 在日社会でも、総連を離脱して立ち位置を見失った同胞たちが金大中政権登場以降、太陽政策に拠り所を求めた総連の衰退が民団の強化につながらなかったのはこれが一つの要因になっている。

 「民族同士」とは、北韓から見れば「太陽政策逆利用戦略」のキーワードであり、金大中政権からすれば「対北迎合路線」を粉飾するフレーズであった。

◆北統一戦線の側面担う組織

 5・17事態が再発する可能性を集約すれば、「『民族同士』の理念」なるものによるヾ攅颪らの総連支援と∩輜△梁侈叡長作の2つの要因を挙げることができる。

  勝5・17事態は、総連のそれ以前の対民団工作と質的に異なるところから生まれた。南北両政権の後押し、中でも韓国の公権力、政界、言論界、市民団体の支援が大きく作用した結果だ。

 公権力は韓統連に対する大法院の「反国家団体」規定を適用除外にし、朝鮮籍者に臨時パスポートを乱発し、在日と韓国の従北勢力間の連帯を強化させた。民主労働党をはじめとする各党の一部国会議員、従北市民団体、一部言論機関は総連や韓統連を激励し、朝鮮学校などへの莫大な支援も行ってきた。

 こうした下地作りを行ったうえで、本国当局と駐日公館の要人が連携し、政府補助金をテコにして民団に圧力をかけ、2006年2月の民団中央団長選挙に介入した。河丙執行部誕生後は、その行動を積極的に後押しした。

 ◆勝A輜△呂覆次対民団工作を続けるのか。それは、総連が朝鮮労働党統一戦線戦略の側面部隊であり、対南工作の一環だからだ。その目的は、労働党規約に明記されているように「南朝鮮革命」と北主導による統一である。

 総連は金氏王朝による韓半島支配確立の道具であって、在日同胞の利益を擁護する団体ではない。権利擁護の運動を行うのは、北主導の統一を実現する総連組織の防衛と大衆獲得の方便に過ぎない。

 対民団工作は「団合事業」と呼ばれ、総連結成以降、一貫して推進されてきた。対南工作員にするための、韓国籍同胞の一本釣りも活発だった。キーワードは「民族」「統一」「平和」である。

 この三つを破壊してきたのは他ならない北韓独裁と総連でありながら、その責任を韓国側に転嫁しつつ、巧みな言動で民団に働きかけ、浸透する。民団に対するこうした工作が続く限り、5・17事態が再発する可能性は消えない。

 韓国内の従北勢力から支援を受ける総連はいま、来年の総選挙と大統領選挙での勝利に注力し、民団中央団長選挙にも狙いをつけている。こうした動きは、むろん公然化されていない。いかにも無関心であるかのように装いながら、水面下で躍起になっているのだ。

 北韓が韓国の大統領選挙に対する関心を強めたのは、1970年にチリで、社会主義のアジェンデ政権(73年にクーデターで崩壊)が暴力革命ではなく、選挙を通じて誕生してからだった。金日成はこれにヒントを得て、自らの対南工作もこの方式でいけると判断、韓国の野党最有力者への支援を本格化した。同時に、高級公務員への道を開く高等考試合格者などの包摂も指示した。

◆補選の結果に危険な兆候も

 こうして韓国の各分野に進出した従北勢力は、金大中・盧武鉉政権下でいっそう勢力を拡大し、現在の李明博政権下でも継続して勢力を増殖中だ。「市民団体」ばかりでなく、公の政党、教職員団体、労働者団体、学生団体にまではびこり、各種マスコミも掌握している。

 この度の再・補欠選挙(4月27日投開票)で、民主党と民主労働党が勝利した。特に、全羅南道順天の結果を見て北韓・総連はほくそ笑んでいる。民主労働党候補が民主党との選挙協力によって全羅道で初の議席を獲得し、院内交渉団体へ一歩近づいたからだ。

 民主労働党は韓国で唯一、北韓独裁の手足となる政党と言われる。北韓人権法の制定にも断固反対の姿勢を貫いた。この政党の当面目標は、来年4月の総選挙で院内交渉団体になることであり、同12月の大統領選挙で民主党と選挙協力し、連立政権を構成してキャスチングボードを握ることにある。

 順天での民主党と民主労働党の選挙協力は、来年の総選挙、大統領選挙での共闘の可能性を現実化させた。民主党が大統領選挙で600万票を獲得して勝利するために、民主労働党票に目がくらんだ結果である。この戦術が北韓独裁から出ていることは言うまでもない。

 再・補欠選挙の結果は、総連を勇気づけた。民主党、民主労働党と連携を強める総連は、自らの影響下にある韓国籍同胞を総動員し、両野党勢力を支援しようとしている(ちなみに総連は、朝鮮学校の児童・生徒の過半数が韓国籍だと公言している)。同時に、来年2月の民団中央団長選挙にも影響力を行使すべく、虎視眈々と機会をうかがっている。

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