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ジャスミン革命と中国、そして北韓
ユ・ドクミン（外交安保研究員 教授） ウィキリークス (WikiLeaks)の米国外交専門家の暴露が全く予期せぬ方向に進化している。世界に情報暴露の旋風が吹いていると言っても過言ではない。独裁者たちの不道徳性が明らかになったの専門については、国民を激怒させ、民主化の熱望がドミノのように世界中で噴出されている。特に長く独裁政権下にあった中東での民主化ブームが炎のように広がっている。 チュニジアとエジプトの政権が崩れた。リビア、アルジェリア、イエメン、バーレーンでの激しい反政府デモが展開されており、深刻な流血の事態をもたらしている。このようないわゆる中東版「ジャスミン革命」は、他の国にも『対岸の火』ではなく『足元の火』に近づいている。真っ先に中国でも散発的なデモが発生するなど、ジャスミン革命の余波が広がっている。 さすがの中国でも民主化の風が吹くのだろうか？
我々の民主化の経験によると、生活が安定してくると人間は本能的に自己主張が強くなる。政治学の教科書でも、国民所得が一定に到達すると、国民の政治参加の要求が噴出するという。国民一人ひとりが持つ、様々な主張や要求を独裁政権では満たすことができず、その結果、多様なニーズを集約する民主主義、つまり、多元主義的な政治体制が登場することになるという。私たちも、1人当たりの国民所得が3000�砲謀�達する時点で、民主化要求の噴出を目撃し、結局、88ソウル五輪を目前にして大統領直接選挙制に基づく民主主義革命が達成された。 これらの観点を見ると、2008年の北京五輪を成功裏に終え、世界的な経済成長を成し遂げた中国も政治学の教科書で述べている民主化の視点に立っていると判断される。ならばジャスミン革命は、『コップの中の水』ではなく、中国の政治体制に台風を及ぼすだろう。しかし、多くの専門家たちは、中国は我々とは異なる特殊性があるという点を挙げ、民主化に懐疑的だ。 中国は、米国や韓国とは違う特殊なシステムとして、経済発展が西側式民主化に進むのではなく、中国式の道を進むと指摘する。アダム・スミスの道ではなく、孔子・孟子の道の政治体制が進化するということだ。中国の国民所得が4000�砲肪�し、中産層が1億人に達したとしても、西側諸国の民主化方式とは異なる環境に置かれているということだ。中国の中産層は、一般大衆というより、システムに関連する特殊な階層の性格が強い。今のところ、中国の中産層は現体制では多くの利益を得る体制を支える基盤の性格が強いということだ。 中国政府も経済発展が多元的な民主化へ進むという欧米の方程式を否定し、中国式の方程式を模索していると思う。それが『孔子の復活』である。かつて中国は、近代化に遅れをとって、帝国主義勢力が多くの苦難を経験した理由を『孔子と孟子』に追求した。共産化以降、特に文化大革命当時、孔子と孟子は、中国で徹底的に排撃された事がある。過去の��小平は、ある日本人人士に「日本の軍国主義の侵略で中国に莫大な損害を与えた。しかし、それは数十年間のことだ。一方、中国は歴史的に日本に対して二つの迷惑をかけた。ひとつが漢字であり、もうひとつが諸葛孔明の道だ。孔子の思想は、1700年もの間、日本に影響を与えた」 一見、��小平は、日本に中国の影響力を誇示したように聞こえるが、中国の正体を持って来た古い枠組みから脱して新たな実用主義の道を模索する��小平の「孔子の道」への批判的視野をうかがうことができるエピソードだと思う。 「孔子の道」とともに、中国政府が中国式の要素として考慮することが「民族主義」、あるいは「愛国主義」と思われる。先日、出張先の東京のホテルでテレビのスイッチを入れたら、偶然にも中国版CNNと呼ばれる「鳳凰TV」の有識者座談会が出てきた。中国の専門家たちが、南シナ海の問題について討論を繰り広げていた。無心に聞いていたが、耳を疑う衝撃を受けた。 南シナ海は中国の戦略的中核利益というのだ。中国は過去の小国の懸念を配慮して共同開発をする傾向があったが、これ以上、小国のために自分の利益を犠牲にしてはならないということだった。なぜ東南アジアの小国は、米国に対しては黙認し、中国がすることにだけ言いがかりをつけるのか理解できないとの主張もあった。さらに衝撃的だったのは、南シナ海は中国の核心的な利益だが、西海と東シナ海では、ほぼ『内海』のレベルとしているという点だ。まるで100年前、核心的な利益と利益先を云々していた日本帝国を見るような感じだった。 2008年北京五輪と世界的な金融危機を契機に中国は、姿勢を低くし実力を育て「能在る鷹は爪隠す」で、大国としての声を強く提起する「崛起」の姿に変わっている。言い換えれば、強力な軍事力と経済力を土台に地政学的な利益を確保しようとする露骨な歩みを見せているのだ。これは、過去とは違って、民族主義的な思考と行動で東南アジア諸国・日本と南シナ海および尖閣諸島、釣魚大道をめぐり、韓国とは天安艦爆沈事件をめぐり摩擦を起こしている。 中国の特殊性を十分に考慮するとしても、爆発的に増大する中国国民の多元主義的な政治的要求を共産党一党体制に適合させることは、役不足だ。言い換えれば、愛国主義や「孔子の道」も国民の多様なニーズを満たしていないということだ。 過去、朴正熙政府も高度経済成長時に様々な民主化要求が提起されたときに普遍的価値を否定し、「韓国式民主主義」を提唱した事があった。明らかなことは、自由と人権に基づく民主主義は、西欧の専有物ではなく、人類の普遍的な価値という点だ。中国の政治体制は、私たちとは異なり、文化的な特殊性も存在する。しかし、自由と人権という民主主義の価値が、中国といって、例外になることはない。 ジャスミン革命の影響の有無にかかわらず、中国の将来は多元主義の体制を制度化させるかにかかっていると思う。ジャスミン革命は中国はもちろん、3代世襲を企てている世界最長年の独裁政権の北韓に、むしろ、より大きな影響を与えるかもしれない。金正日政権がいかに核とミサイルでバリアを張っても、貧困問題を解決できない独裁体制は維持できないからだ。
韓半島問題に対する米中両国首脳の考えは、基本的な立場で大きく異なる姿を見せるものではない。宣言文で言及された韓半島関連の文句を見れば、おおむね韓半島の平和と安定を追求する内容となっている。最近の韓半島の緊張高潮および北韓のウラニウム濃縮に対する憂慮を表記するかと思えば、韓半島の平和と安定維持がとても重要(critical importance)であり、 両国は韓半島問題に関連する事案に対し継続して緊密に協力するとした。
南北関係の改善が重要(importance)であり、真正性ある建設的な(sincere and constructive) 南北対話が必須だとのことに共感した模様だ。さらに韓半島の非核化がとても重要(crucial importance)であり、<9.19 共同声明>で成り立った非核化および その他の約束を全面的に履行するため具体的で效果的な措置(concrete and effective steps)が必要だとした。<9.19 共同声明> および関連国際義務/約束に違反する全ての活動に反対し、この問題とその他の関連する問題を解決するため、6ヶ国協議プロセスの早期再開(early resumption)に必要な措置を促すともした。 ところが、いざG2で優遇され始めた中国の態度は、それほど満足できるものではなかった。特に相変わらず死角地帯で残している人権問題で、中国が世界経済の難しさを克服するため率先垂範する姿は見られない。世界をリードする国家としての面目がなかった。図体はG2だが、真のG2の姿として力不足だった。特に韓半島問題において、北韓の核開発問題は勿論のことだ。そして天安艦爆沈と延坪島武力攻撃に対し、明らかな立場を見せないことは、中国が相変わらず世界をリードする国家でなく、地域的な利害関係にしばられる国家の限界から抜け出せないことを自認するものだった。これに関し中国が、G2に似合うように世界を仕えることができる姿勢が何より必要だ。 自ら損害を受けようとも、世界と地域の利益が増大できるような姿を見せなければならない。北韓の誤った行動に対する明らかな叱責が伴わなければならない。全世界の国家は、不良国家である北韓を無条件的に引き込もうとする中国をG2で受け入れることが難しいだろう。もう中国は自身が望もうが望まないだろうが、地域の覇権にこだわる 国家に戻れない状況に置かれている。中国が改革開放後、全世界国家から恵沢を受けたなら、もうその恵沢を分けなければならない時点であり、その始まりは北韓問題から始めねばならないだろう。
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