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北韓を国家と見てはならない 
柳東烈（治安政策研究所安保対策室先任研究官）
9月9日は北韓政権樹立から63年目になる日だ。北韓は1948年9月9日前後に平壌を首都とする「朝鮮民主主義人民共和国」の樹立を宣言した。特に、韓半島全体が、北韓の領土だと言明し、南韓地域を未解放地域とし、北韓が韓半島の唯一の合法政府であることを宣言した。 しかし、これはとんでもない主張だ。韓半島の唯一の合法政府は、1948年8月15日に樹立された大韓民国政府であり、1948年12月に開かれた第3回国連総会の決議案第195号で合法政府だと承認した。北韓金日成集団の政権樹立に韓半島は、38度線による国土分断に続き、政治的な分断固定から66年が過ぎた。 この時点で、私たちは、北韓政権をどう見るべきかを再構築すべきだ。 北韓は我々が認めようが、認めまいが、国際法上、「国家」の地位にいるのが現実だ。韓半島の北部を実効的に支配しており、国連加盟国であり、世界192カ国中、159カ国と国交を樹立しているなど、対内外的に主権を行使している。 かといって、私たちが北韓を「国家」と認めてはならない。大韓民国憲法第3条で「大韓民国の領土は韓半島とその付属島嶼とする」と明示しており、憲法と実情法上、北韓は我々の領土の一部を不法に占領している反国家の不法団体だからだ。 私たちの社会の一部で、南北国連同時加盟（1991年）、南北基本合意書（1991年）と6.15共同宣言（2000）採択などを掲げ、わが政府が北韓を事実上、政府として認めたと主張し、北韓の国家的地位を既成事実化する雰囲気が横行している。 もちろん、北韓が警戒の対象であると同時に、統一の相手という性格があるが、かといって、北韓を国家として認めてはならない。韓半島で唯一の合法政府は大韓民国というのが、憲法裁判所と最高裁判所の一貫した立場だ。したがって、私たち国民が北韓を国家として認めることは、我々自ら大韓民国の憲法体系を否定する結果をもたらすのだ。 北韓は我々を「南朝鮮傀儡（かいらい）」と呼び、国家として認めておらず、自分たちが韓半島の唯一の合法政府であることをアピールしていることを想起しなければならない。 特に、私たちは北韓を国家として認めた瞬間、統一は水の泡となることをはっ強く指摘したい。たとえば、北に急変事態が発生し、無政府や混乱状態が続いたら、韓国政府が治安維持兵力を送り、無秩序状態を正し、統一の機会として生かした時、これは「北という主権国家」への侵略行為になるのだ。 北韓を独立国家として認めている状況では、北韓の急変事態による混乱状態が発生し、私たちの軍兵力が入ることは、他の国を侵略することになるからだ。したがって我々は、決して北韓を国家として認めてはならない。 北の急変事態時、私たちは北韓が私たちの国土を不法に占領している反国家不法団体であり、未修復地区である私たちの領土に、私達が入り、無政府状態と社会秩序を正して、統一を成すと主張しても、中国、ロシアなどの国際社会が私たちの立場に同調するわけがない。まして、北韓を国家として認めてどうするのだろうか？ このような理由で、私は北韓を「国家」と呼称している政治家や学者は、従北左派勢力を反統一勢力と断言したい。 私たちは何の概念もなく南北を「分断国家」と呼称することも、北韓を「不良国家」、「異常国家」と呼称するのも、結局は北韓を国家として認める表現となるため、慎むべきである。 正確には南と北は、「分断国家」ではなく「分断体制」であり、北韓を「不良集団（グループ）」、「異常集団（団体）」と呼ぶべきだ。私がこのコラムでは、北韓を呼称する場合、幾度となく「金正日集団」、「金氏集団」と表現する理由がここにある。 北韓は大韓民国憲法と実定法の体系上、私たちの国土の北側を不法に占有し、政府を名乗っている反国家不法団体であり、私たちが必ず解放し、統一すべき私たちの明確な領土である。
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